2015 Fiscal Year Annual Research Report
Nested Association Mappingによるイネ多収遺伝子の単離
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26712002
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
阿部 陽 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 管理部, 研究主査 (80503606)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イネ / アソシエーション解析 / QTL / 多収性 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模な圃場での形質調査を実施し、2カ年分の葉身形態にデータを獲得した。ジェノタイプが決定している18組合せ2,026系統を用いて、アソシエーション解析を行ったところ、2カ年でほぼ同じQTLを同定できており、再現性を確認できた。このうち、葉身の幅で検出したQTLの1箇所はNAL1であると推察されたが、7番染色体にこれまで報告のない新規のQTLを検出した。 現在ジェノタイプに用いているSNPは1,015個であるが、組合せによっては500個程度しかジェノタイプに利用できないことが判明した。そこで、3,078 RILsの高密度ジェノタイプを決定するため、22組み合わせの親系統のリシーケンスを行い、ショートリードのデプスが8以上の箇所から「ひとめぼれ」とのSNPを抽出した。「ひとめぼれ」と比べて、22の親系統から36,005(品種:はやゆき)~587,987(品種:RATUL)個のSNPを抽出できた。加えて、全3,078系統について、低デプス(目標デプス:3)でのリシーケンスを完了し、高密度ジェノタイプを構築する準備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模な圃場での形質調査を実施し、2カ年分の葉身形態にデータを獲得し、QTLの再現性を確認できた。22組み合わせの親系統のリシーケンスを行い、「ひとめぼれ」とのSNPを抽出した。加えて、3,078 RILsの高密度ジェノタイプを決定するため、全系統について低デプスでのリシーケンスを完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
3,078 RILsの全ゲノムシーケンスによりジェノタイプを決定し、高密度なSNPによるアソシエーション解析を実施する。これまで同定したQTLのうち、新規と推察される領域について候補遺伝子の同定を進める。 22組合せ3,078 RILsの種子と高密度ジェノタイプがセットになった実験系統群は、多環境でのフェノタイピングやエピスタシス解析など利用価値が高いと考えられるので、配布できるよう採種を行う。
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Causes of Carryover |
遺伝子単離に向けた突然変異系統の大規模スクリーニングに若干の遅れが生じたため。機関に整備された次世代シーケンサーにより低コストにシーケンスが可能になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ジェノタイプを高精度に完成させるためのシーケンス試薬購入費、研究を迅速に進めるための研究補助者を雇用する人件費、効率良くフェノタイピングする機器の購入費として利用する。
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