2015 Fiscal Year Annual Research Report
Small RNAを利用した次世代順遺伝学スクリーニング系の開発とその応用
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26712006
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹田 篤史 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (60560779)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 順遺伝学スクリーニング / 植物ウイルス / RNAサイレンシング / 宿主因子 / tasiRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、人工ランダムtasiRNAを発現する植物ライブラリーの構築を行った。はじめに、前年度にTAS1cのD2(+)、D3(+)、D4(+)の三ヶ所から三種類の人工ランダムtasiRNAを発現させるように改変したTAS1c-D234ベクターをアグロバクテリウムに形質転換した。このアグロバクテリウムライブラリーを用いて、Floral dip法によってArabidopsis thaliana Col-0を形質転換した。選抜した複数ラインの形質転換植物よりゲノムDNAを抽出し、挿入した外来TAS1c遺伝子のD2(+)、D3(+)、D4(+)部位のシークエンス解析を行った。その結果、個体ごとに異なる人工tasiRNA配列が挿入されており、1植物あたり約5遺伝子の発現が抑制されることが示された。 並行して、形質転換植物の選抜を容易に行うために、種子貯蔵タンパク質OLEO1にGFPを融合させたマーカーの導入を行った。Golden gate cloningによって人工ランダムtasiRNAを挿入するために、OLEO1プロモーター上よりBsaIおよびBsmBIの認識部位を除いたベクターを構築した。Col-0の形質転換、および実体蛍光顕微鏡観察を行い、改変OLEO1-GFPマーカーを用いて形質転換種子の選抜が可能であることを確認した。このベクターを用いて、人工ランダムtasiRNA発現植物ライブラリーの構築を開始した。 また、CMVの感染性を容易に検証するために、2b遺伝子のC末端側にGFPを融合させた組換えCMVを作出した。この組換えCMVを用いて、細胞間移行能を指標に宿主因子の探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度のアザミウマ発生による進行の遅れを取り戻せなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きCol-0の形質転換を行い、CMVの宿主因子を遺伝学的に探索する。並行して、生化学的にCMVの宿主因子を探索する研究も開始する予定である。また、作出した人工ランダムtasiRNAを発現する植物ライブラリーを有効活用するために、葉におけるウイルス感染以外の生命現象にも本スクリーニング系が適用できるかどうかを検証していく。
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Research Products
(7 results)