2016 Fiscal Year Annual Research Report
アカパンカビ子嚢胞子が山火事で目覚める分子機構の解明とその応用
Project/Area Number |
26712029
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
本田 信治 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90632167)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 応用微生物学 / 休眠 / 熱耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模スクリーニングで同定した煙発芽経路、熱シグナル経路、ストレス応答経路、シグナル増強経路、発芽経路、分化因子群を、アカパンカビに最適化した蛍光蛋白質を融合させた形質変換株を作製した。また、これらに対する抗体の作製もしくは市販の抗体の購入を行った。そして、これらの蛋白質の挙動を「熱」や「煙成分」の刺激前後の継時変化を観察し、これらが連動して活性化、不活性化、特定領域への移動などの「シグナル伝達」が調和して起こることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模スクリーニングで同定した煙発芽経路、熱シグナル経路、ストレス応答性経路の分子レベルのクロストークを突き止める実験系を構築し、休眠状態と高ストレス耐性能力の関係解明の道筋が見えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で作製した蛍光蛋白質群の時空間挙動を、同定した遺伝子群の欠損株・常活性化株下で観察する。しかし、同定した因子群の多くは、両親とも欠損させると子嚢胞子の形成まで進まない。また、一部の因子群は生存に不可欠であるため、完全な欠損株としての単離・維持・継代ができない。そのため、完全もしくは部分欠損株と野生株を交配し、その結果できる混在した子嚢胞子を顕微鏡下で自動分別する。更に、この欠損株子嚢胞子と野生株子嚢胞子の両方にある蛍光蛋白質の挙動をそれぞれ自動認識し、評価する実験系・プログラムを構築し、これらの分子機構の複雑なクロストークを統計解析する。
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Causes of Carryover |
平成29年度において、本研究体制を維持するのに必要な費用を確保するために、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の研究計画に従う。
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