2014 Fiscal Year Annual Research Report
アブシジン酸シグナルを介した種子休眠を制御するシグナルネットワークの解明
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26712030
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
西村 宜之 独立行政法人農業生物資源研究所, 放射線育種場, 研究員 (70405041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プロテオーム / シグナル伝達 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
AHG1はタンパク質脱リン酸化酵素をコードし、アブシジン酸(ABA)による種子発芽の抑制や種子休眠で働く主要な因子である。我々はAHG1に相互作用する因子としてAHG1 Interacting Protein 4 (AHIP4)とAHIP11を同定し、AHIP4とAHIP11はAHG1を介してABAによる種子発芽の抑制や種子休眠で働くと考えられるが、その分子機構は不明である。ABAシグナルを介した種子休眠を制御するシグナルネットワークの解明を目指し、H26年度はAHIP4とAHIP11に相互作用する因子の探索を行った。 AHIP4の相互作用因子は、シロイヌナズナの野生型Col-0にAHIP4とYFPを融合させたYFP-AHIP4を発現させた過剰発現体を用い、YFP-AHIP4にそれぞれ相互作用する因子をGFPアフィニティーカラムで精製し、質量分析装置を用いた解析を行った。これまでに複数のAHIP4に相互作用する可能性がある候補因子の単離に成功し、現在、AHIP4の真の相互作用であるかを酵母ツーハイブリット法により検証している。 AHIP11の相互作用因子もAHIP4と同様の手法を用い、単離する予定であったが、YFP-AHIP11を過剰に発現した組換え体を得るに至らなかった。そこで、シロイヌナズナ均一化cDNAライブラリーを用いた酵母ツーハイブリッド法により、AHIP11に相互作用する因子の探索を行い、これまでに複数のAHIP11に相互作用する候補因子の単離に成功した。 また、質量分析装置を用いた解析より、AHIP4の候補リン酸化部位と候補ユビキチン化部位の同定に成功した。現在、これら翻訳後修飾部位に変異を導入した変異タンパク質を発現させた植物体の作出を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AHIP4に関する研究は順調に進展している。AHIP11に関する研究は、当初予定していたAHIP11過剰発現体を用いたAHIP11の候補相互作用因子の探索を行えなかった。しかし、申請書で代案として記述していた酵母ツーハイブリット法により、複数のAHIP11に相互作用する候補因子の単離に成功したことから、本年度の目標をほぼ達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に引き続き、AHIP4は1) AHIP4の相互作用因子の解析、2) AHIP4の転写後修飾の意義などAHIP4自身の解析についても行う。AHIP11は、1) AHIP11の相互作用因子の解析、2) 発現誘導性プロモーターを利用し、YFP-AHIP11を発現する組換え植物体の作出を試みる。
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Causes of Carryover |
本研究を進展するためには、H27年度以降も専門知識と技術を有する研究支援者のサポートが必須であり、そのためにはH26年度配分された研究費の一部をH27度以降に繰り越す必要があった。そのため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、H27年度からH29年度の研究支援者の人件費として主に使用する。万が一、古い実験機器が故障するなど不測の事態が発生した際、必要な場合は古い機器の修理や更新に使用することも検討する。
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Research Products
(2 results)