2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト爪を用いた生活習慣病境界病態検査法の開発及び予防への新展開
Project/Area Number |
26713021
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
閔 俊哲 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (10453060)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒト爪 / 生活習慣病 / 境界病態検査 / 糖尿病 / 質量分析計 / 早期予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回は健常者47人、境界域高血糖患者87人、糖尿病患者144人の爪を用いてD/Lアミノ酸を測定を行い、かくれ糖尿診断への有用性を検証した。その結果健常者、境界高血糖者、糖尿病患者の爪よりD,L-Ala、D,L-Val、D,L-Leuが良好に検出された。また、健常者、境界高血糖者、糖尿病患者の定量値を統計解析した結果、今回測定した3種類のDL-アミノ酸の中でVal、Leuでは健常人、境界高血糖者、糖尿病患者において有意差がなかったものの、D,L-Alaのピーク面積の比においては健常者と境界高血糖者、健常者と糖尿病患者の間に有意差(p<0.01)が確認できた。また、男女別に詳細に解析した結果、男性、女性ともに健常者と境界高血糖者、健常者と糖尿病患者の間に有意差(p<0.01)が確認できた。従って、今回の結果からヒト爪中のD,L-Alaのピーク面積比は境界高血糖者の早期検出可能なバイオーマーカーとしての有用性が示唆された。 また、生活習慣病として痛風に着目し、ヒト爪中尿酸の定量分析法の開発を行った。初めに男女各3名の健常者の両手の10本指の爪を用い、各指ごとの尿酸の含量を測定し、どの指の爪を用いるのが通風診断に最も有用であるかを検討した。その結果、男性、女性ともに母指と小指中の尿酸含量は他の指に比べて含量が少ない傾向にあることが示唆された。また、示指、中指、薬指中の尿酸含量は比較的安定でばらつきも少なく、また、男性、女性ともに右手、左手の間で大きな差は無いという結果が得られた。従って、痛風の診断の臨床分析試料として爪を用いる際、左右の手の示指、中指、薬指中のいずれかを用いることが可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度ではヒト爪中のD,L-アミノ酸のピーク面積比を用い、境界高血糖者の早期検出可能なバイオーマーカーとしての有用性を検証し、また、痛風の診断を目的として爪中の尿酸定量分析法を新たに開発した。以上のことから研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、爪中D,L-アミノ酸比によるかくれ糖尿病リスク者を早期発見可能な評価法を検証するとともに、爪特有の新規バイオマーカーの抽出・同定を行う。また、大腸がん、痛風等の生活習慣病における爪の有用性も検証する。
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[Journal Article] First observation of N-acetyl leucine and N-acetyl isoleucine in diabetic patient hair and quantitative analysis by UPLC-ESI-MS/MS2015
Author(s)
Jun Zhe Min, Yuki Tomiyasu, Takashi Morotomi, Ying-Zi Jiang, Gao Li, Qing Shi, Hai-fu Yu, Koichi Inoue, Kenichiro Todoroki, Toshimasa Toyo'oka
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Journal Title
Clin. Chim. Acta,
Volume: 444
Pages: 143-148
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Human nails metabolite analysis: A rapid and simple method for quantification of uric acid in human fingernail by high-performance liquid chromatography with UV-detection2015
Author(s)
Xi-Ling Li, Gao Li, Ying-Zi Jiang, Dongzhou Kang, Cheng Hua Jin, Qing Shi, Toufeng Jin, Koichi Inoue, Kenichiro Todoroki, Toshimasa Toyo'oka, Jun Zhe Min
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Journal Title
J. Chromatogr. B
Volume: 1002
Pages: 394-398
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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