2014 Fiscal Year Annual Research Report
ZnOナノ粒子による毒性機序解明に関する法医学的研究
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26713025
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
藤原 純子 島根大学, 医学部, 助教 (20346381)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 毒性評価 / ナノ粒子 / 有害物質測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化亜鉛ナノ粒子は、センサーや電子デバイス、抗菌材、塗料、化粧品や食品添加物などに幅広く用いられている。酸化亜鉛は、毒性が低く、室温でUV発光するためバイオイメージングへの応用が期待されている。これまで、酸化亜鉛ナノ粒子の静脈内投与後の毒性影響評価を行った報告はなく、 8週齢のICRマウスに酸化亜鉛ナノ粒子を0.2 mg/kgで静脈内に単回投与し体内分布、組織学的観察、酸化ストレス、血液の生化学的データ、炎症反応、酸化ストレスについて評価した。 酸化亜鉛ナノ粒子分散液単回投与により、血中亜鉛濃度は投与後5分で最高値を示し、60分後には投与前のレベルとなった。臓器中亜鉛濃度は、肝臓では投与後6日、脾臓では投与後1日で有意に上昇した。血清生化学的データの内GOT、GPT、LDHが投与後6、12時間で有意に上昇し、肝障害が示唆された。一方、BUNとCreに変動は認められなかった。血清Super Oxide Dismutase活性は投与後24、48時間で有意に上昇し, 尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosineは投与後1日で上昇した。培養上清中TNF-αおよびIL1-βレベルは投与後24時間で、これらmRNAの発現レベルは投与後12時間で有意に上昇していた(p < 0.05)。病理組織学的検査では、肝臓で類洞一部拡張が投与後1日で観察された。以上のことから、酸化亜鉛ナノ粒子は投与後早期に肝障害を引き起こし、酸化ストレスが関与する炎症促進反応を示すことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書では、目的として①ZnOナノ粒子静脈内投与後の体内動態および臓器内分布の精査 ②ZnOナノ粒子の形状、サイズ、コーティング(修飾)による毒性の差異の解明 ③ZnOナノ粒子による毒性機序の解明 (炎症性サイトカイン、酸化ストレスマーカー)④ZnOナノ粒子静脈内投与後の法医学病理学的検査による毒性機序の解明 ⑤ZnOナノ粒子が血液凝集に及ぼす影響の解明 を目的としていたが、①~④まではほぼ明らかにできた。また論文投稿を行い、 J Med Invest. 2015;62(1-2)45-50 やShimane Medical Journal 2014; 33: 7-11.に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載してあり、まだ取り組んでいない ・ZnOナノ粒子が血液凝集に及ぼす影響の解明 に加えて、 ・酸化亜鉛には、N型、P型があるが、それらの毒性の差異、また光触媒効果の毒性への寄与についてまずは細胞レベルで明らかにしたい。 また分析装置(今年度導入予定)を用いて、Zn2+の溶出の程度が毒性へ及ぼす影響を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
酸化亜鉛ナノ粒子の研究を行うに当たり元素分析を行う装置は必須である。申請時には稀有錠していなかったが研究計画を変更し次年度分のみでは希望する元素分析装置(MP-AES)を購入することができないので繰り越し、合算した金額で購入することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前述したようにH26年の基金分残とH27年の予算とを合わせて元素分析装置(MP-AES)をH27年の9月ごろに導入する予定としている。
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Research Products
(14 results)