2015 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチン受容体シグナルの運動模倣効果メカニズムの解明
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26713032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30557236)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / シグナル伝達 / アディポネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国で死因の上位を占める心血管疾患の主要な原因であるメタボリックシンドローム・2型糖尿病激増の主因が肥満に伴うアディポネクチン/AdipoRシグナルの作用低下であることを明らかにしてきた。また、骨格筋において、アディポネクチン/AdipoR1がカルシウムシグナル、AMPK/SIRT1を介し、ミトコンドリア機能を制御し、運動と同じような効果を示すことを明らかにした。さらにごく最近、遂に世界初・日本発のAdipoR活性化低分子化合物の取得に成功し運動模倣薬の開発に道を切り開いた。本研究課題では、それらの成果をさらに発展させ、骨格筋におけるアディポネクチン/AdipoR1経路の運動模倣シグナルの全容解明を目的とした。(1)アディポネクチン/AdipoR1の細胞内カルシウム濃度上昇メカニズムの解明:前年度同定した遺伝子群の中におけるカルシウムチャネル関連遺伝子の有無について検討した。アディポネクチンによるAdipoR1を介した細胞内カルシウム濃度増加に関与する最小コンポーネントの同定を進め、肥満・2型糖尿病モデルマウスを用いて、それらコンポーネントの病態生理学的意義について検証した。(2)アディポネクチン/AdipoR1のAMPK/SIRT1活性化メカニズムの解明:アディポネクチンがAdipoR1を介して、細胞内AMP濃度、及び細胞内NAD+濃度を増加させている状態において、細胞内の代謝産物がどのような変化を示しているか、メタボローム解析を行った。(3)運動シグナルとAdipoR1運動模倣シグナルの比較解析:前年度の結果を基に「運動療法を行った高脂肪食負荷マウス」と「運動療法を行っていない高脂肪食負荷骨格筋特異的AdipoR1過剰発現マウス」、さらには「AdipoR活性化低分子化合物を投与した高脂肪食負荷マウス」の骨格筋を用い、網羅的に遺伝子発現解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時、予定していた研究項目((1)アディポネクチン/AdipoR1の細胞内Ca2+濃度上昇メカニズムの解明(2)アディポネクチン/AdipoR1のAMPK/SIRT1活性化メカニズムの解明(3)運動シグナルとAdipoR1運動模倣シグナルの比較解析)、全ての研究項目について、それぞれ平成27年度に予定していた計画内容について、当初の計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度については、当初予定していた計画内容について、ほぼ達成した上、さらに一部の研究計画については、当初の計画以上に進展している。そのため、本研究の推進において、研究体制及び研究計画に大幅な変更の必要性は低いと思われ、当初の計画通り、研究を推進する予定である。本研究課題のさらなる進展・加速を目指すべく、実験の精度の向上とスピードアップを図り、目的を早期に達成したいと考えている。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Crystal structures of the human adiponectin receptors.2015
Author(s)
Tanabe H, Fujii Y, Okada-Iwabu M, Iwabu M, Nakamura Y, Hosaka T, Motoyama K, Ikeda M, Wakiyama M, Terada T, Ohsawa N, Hato M, Ogasawara S, Hino T, Murata T, Iwata S, Hirata K, Kawano Y, Yamamoto M, Kimura-Someya T, Shirouzu M, Yamauchi T, Kadowaki T and Yokoyama S.
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Journal Title
Nature
Volume: 520
Pages: 312-316
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] A Novel Peroxisome Proliferator-activated Receptor (PPAR)α Agonist and PPARγ Antagonist, Z-551, Ameliorates High-fat Diet-induced Obesity and Metabolic Disorders in Mice.2015
Author(s)
Shiomi Y, Yamauchi T, Iwabu M, Okada-Iwabu M, Nakayama R, Orikawa Y, Yoshioka Y, Tanaka K, Ueki K and Kadowaki T
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 290
Pages: 14567-14581
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 腸内細菌と代謝疾患2015
Author(s)
岩部 真人、山内 敏正、岩部 美紀、門脇 孝
Organizer
第36回 日本炎症・再生医学会
Place of Presentation
虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区)
Year and Date
2015-07-21
Invited
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