2014 Fiscal Year Annual Research Report
TIM-3/galectin-9を軸とした新規白血病幹細胞治療標的分子の同定
Project/Area Number |
26713034
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊繁 吉謙 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40619706)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | AML / TIM-3 / LSCs |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度末の時点で申請者は、マウス同様にヒトにおいてもGalectin-9がTIM-3のリガンドであることをSPRアッセイにより確認しています。さらに、ヒトAML細胞を異種移植したマウス血清中にヒトGal-9が高濃度で検出されることをELSIAアッセイを用いて確認していますが、平成26年度は症例数を増やしてその傾向を再確認しています。すなわち、AML細胞が異種移植モデルにおいてもTIM-3リガンドであるGalectin-9をautocrine様式で分泌していることを確認しました。さらに、TIM-3/galectin-9相互作用が、NF-kBおよびβ-catenin経路を活性化させる可能性をin vitroのマイクロアレイを用いた先行研究の結果確認しているが、その現象を患者AMLサンプルを用いて、解析症例数を増加させて検討を進めた。具体的にはウェスタンブロット法、およびFACSを用いて、TIM-3/Galectin-9相互作用がNF-kB p65、β-cateninタンパクの活性化型リン酸化亢進を誘導することを確認しました、さらにArray Scanシステムを用いてp65あるいはβ-cateninタンパクが刺激後に核内移行していることを確認しました。現在これらの実験を検討する症例数を増加させています。これらの結果、ヒトAMLおよび白血病幹細胞がTIM-3リガンドであるGalectin-9をautocrine様式にて分泌し、その下流のシグナルとして、NF-kBおよびβcatenin経路を共活性化することが確認されました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように平成26年度末の時点で申請者は、マウス同様にヒトにおいてもGalectin-9がTIM-3のリガンドであることをSPRアッセイを用いて確認している。さらに、TIM-3/galectin-9相互作用が、NF-kBおよびβcatenin経路を活性化させることを先行研究の結果確認しているが、その現象を患者AMLサンプルを用いて、解析症例数を増加させて検討を進めました。これらの結果、ヒトAMLおよび白血病幹細胞がTIM-3リガンドであるGalectin-9をautocrine様式にて分泌し、その下流のシグナルとして、NF-kBおよびβcatenin経路を共活性化することが確認されました。したがって、平成26年度は、先行研究の結果を正確に確認することができており、さらにシグナル経路を解明することができており、おおむね順調に経過していると考えます。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、免疫不全マウス内で再構築したヒトAML細胞に対するTIM-3/Galectin-9相互作用の遮断実験をin vivoで行い、このTIM-3/Galectin-9相互作用がヒト白血病幹細胞にどのような作用を及ぼしているのかを評価する予定です。シグナルのターゲットとして本研究で同定したNF-kBおよびβ-cateninは、近年の報告では癌幹細胞活性強化において協調的、相乗的に作用することが報告されており、白血病幹細胞活性の調整に寄与するとの仮説をたて、検証を行います。さらに、別の先行研究結果で、TIM-3陽性異常幹細胞が慢性骨髄増殖性疾患の幹細胞分画において病期進展にともない増加していることを見いだしており、AML以外の骨髄性疾患においてもTIM-3シグナルの関与を検討する。
|
Research Products
(3 results)