2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞におけるレニン・アンギオテンシン系の機能解明と新規骨形成薬の開発
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26713048
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
越智 広樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30582283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 骨代謝 / レニン・アンジオテンシン |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症は、人間のかかる疾患のうち、もっとも頻度が高く、今後、社会の高齢化に伴い、さらなる増加が見込まれているが、骨粗鬆症の発症機序については未だ不明な点が多い。また、これまでの骨粗鬆症治療薬は骨吸収阻害をターゲットとしたものがほとんどであり、骨形成を目的とした骨粗鬆症薬の開発は急務である。一方、レニン-アンジオテンシン系(RAS)は血圧調節において重要な役割を果たしている。近年、RASに関わるACE2 が腸内環境の正常化に重要であり腸炎発生の予防に重要であることが明らかとなった。このことは、これまで血圧調節のみと考えられていたRAS が、全身の臓器で、その生理的機能の維持や病態発生に重要な役割を担っていることを示唆している。骨代謝分野においても、高血圧患者では骨量が減少していることから、RAS は骨局所において重要な役割を担っている可能性が推測されるが、その詳細に関しては不明である。そこで本研究では骨細胞におけるRASの役割を解明することを目的として研究を進行する。 骨細胞特異的RAS関連遺伝子欠損マウスの作製:Dmp1-Creマウスを用いて骨細胞特異的にRAS関連遺伝子を欠損するマウスを作製し、骨の表現型を組織学的、放射線学的に解析した結果、著名な骨量増加を示すことが明らかとなった。また、本マウスの長幹骨からRNAを抽出し、骨形成、骨吸収に係る遺伝子の発現を検討した結果、骨細胞関連遺伝子の発現が低下していることが示された。 骨細胞株におけるRAS関連遺伝子の機能解析:骨細胞株においてRAS関連遺伝子をノックダウンならびに過剰発現し、骨細胞マーカー遺伝子への影響をRNAならびにタンパクレベルで解析し、骨細胞マーカーの発現低下が確認された。 骨細胞特異的RAS関連遺伝子過剰発現マウスの作製:骨細胞特異的にRAS関連遺伝子を過剰発現するマウスを作製するためのコンストラクトを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの作成・解析ならびにin vitroの解析ともに当初の予定通り進行しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の実験を継続するとともに、新たに以下の検討を実施する。 1.骨細胞におけるRAS系の標的遺伝子の同定:骨細胞特異的にGFPを発現するコンディショナルKOマウスを作成し、FACSを用いて骨細胞を単離後、遺伝子の網羅的発現解析を実施する。また、統計学的手法を用いて標的遺伝子の同定を行う。 2.骨細胞特異的にRAS関連遺伝子を過剰発現するマウスの作製と解析:平成26年度に作製したコンストラクトを用いてトランスジェニックマウスを作製する。作出されたマウスの骨の表現型を組織学的に解析する。 3.1で同定された標的遺伝子の機能解析:1で同定された標的遺伝子の骨細胞における機能をin vitroにおいて解析する。また、標的遺伝子を骨細胞特異的に過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し、in vivoにおける機能を解析する。
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Causes of Carryover |
効率的に消耗品を使用することができたことにより、物品費を少なく抑えられることができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はトランスジェニックマウスの作製ならびに次世代シークエンスを用いた標的遺伝子の解析を計画しているため、これらの検討実施のために使用する予定である。また、本検討はin vivoでの実験を主に立案されているため、マウス維持や管理を充実させるためにも使用する予定である。
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