2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞におけるレニン・アンギオテンシン系の機能解明と新規骨形成薬の開発
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26713048
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
越智 広樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30582283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨細胞 / RAS |
Outline of Annual Research Achievements |
骨細胞の機能障害は骨粗鬆症を引き起こすことが知られていることから、骨細胞は新たな骨粗鬆症治療のターゲットとなる可能性を秘めている。本研究では、骨細胞におけるRAS系に着目し、その機能解析を通して、新規骨形成促進骨粗鬆症治療薬の開発を目指す。骨細胞特異的にRAS関連遺伝子の欠損マウスを作成したところ、皮質骨の有意な骨量増加が認められた。一方、骨形態計測による海綿骨の解析では野生型マウスと差は認められなかった。このことは皮質骨と海綿骨の骨代謝機構が異なるとことを示唆していることから、まず、野生型マウスにおいて皮質骨と海綿骨における骨代謝関連遺伝子の発現を解析した。その結果、海綿骨では、皮質骨と比較して骨代謝が活性化していることが明らかとなった。一方、骨細胞特異的RAS関連遺伝子欠損マウスでは、野生型と比較して、皮質骨での骨形成ならびに骨吸収マーカーの発現が亢進しており、骨代謝回転が活性化している可能性が示唆された。現在皮質骨由来RNAを用いて、次世代シークエンサーによるRNAの網羅的発現解析を実施中であり、ターゲット遺伝子の同定を試みる。 In vitroにおいてRAS関連遺伝子を恒常的にノックダウンした骨細胞株を樹立した。これらの細胞株を用いて骨細胞分化を検討した結果、骨細胞マーカーの発現が低下した。加えて、樹立した骨細胞株と骨芽細胞株を共存培養した結果、骨芽細胞分化が促進された。現在in vivoと同様に網羅的遺伝子発現解析を行いターゲット遺伝子の同定を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoならびにin vitroの解析ともに概ね当初の計画どおりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究を継続して実施するとともに、新たに下記の項目に関して検討する。 1.骨細胞におけるターゲット遺伝子の同定 2.骨細胞におけるターゲット遺伝子の機能解析 3.病的骨代謝状態におけるターゲット遺伝子の機能解析
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