2014 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによって制御される運動器による免疫系の動的恒常性と破綻
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26713052
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
林 幹人 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50581914)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ストレス / 運動器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではメカニカルストレス負荷・免荷状態における運動器が産生する因子による免疫系細胞の制御に焦点をあて、ターゲット分子の絞込みを行う。本年度までに、Mck-Creを用いた筋肉特異的遺伝子欠損マウスで筋芽細胞生存率の著しい低下を引き起こさせ、加齢とともに筋肉量が急激に減少するメカニカルストレス免荷モデルを構築した。筋組織以外は正常であることから、筋萎縮に伴うメカニカルストレスの低下が、骨と多臓器に直接反映していると考えられる。さらに、メカニカルストレスの軽減に伴う顕著な骨量低下も確認されているため、運動器と免疫系のネットワーク恒常性と破綻メカニズムを生体レベルで解析する有効なデバイスと考えられる。また、従来から汎用されている尾部を飼育ケージ上部に固定し後肢のみ脱荷重した、尾部懸垂マウスモデルも同様に使用し比較解析も行った。 一方、自発的なレジスタンストレーニングを評価するメカニカルストレス負荷システムとして、マウス専用のクライミング運動負荷システムの構築を行った。適切なトレーニング期間の条件検討により、筋肉量の増加と、それに伴う骨量の増加を確認した。さらに、それらのトレーニングを行ったマウスにおいては、トレーニングを行わなかった群に比べ負荷運動またはそれに伴う筋肉や骨の増加によりT細胞が何らかの刺激を受けてそのポピュレーションがシフトしている可能性が示唆された。本モデルでは、長期のマウス飼育・観察が可能であり、経時的なメカニカルストレス応答性分子の解析を可能とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、当初の計画通り研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
構築された免荷・負荷モデルから得られる各種組織・細胞における網羅的解析とその機能的解析から、ターゲット分子の絞り込みを行う。
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Causes of Carryover |
効果的な物品調達を行った結果、未使用分が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費は予定通り、主に物品費や消耗品費として使用する予定である。
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