2015 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢者における、褥瘡発生メカニズムに着目した褥瘡の超早期発見システムの構築
Project/Area Number |
26713058
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲上 豪二朗 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70547827)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | リスクアセスメント / スキンブロッティング / 高齢者 / バイオマーカー / 動物実験 / 免疫組織化学 / メカニズム / 褥瘡 |
Outline of Annual Research Achievements |
褥瘡の発生予測は予防ケア開始のために必須であるが、現在の予測方法は間接的な褥瘡発生要因に基づいて作成されており、在宅の超高齢者における多種多様な身体状況に対応することは極めて困難である。そこで褥瘡発生メカニズム(低酸素・再灌流障害・リンパ灌流障害・細胞変形)に基づく新しいアセスメント方法に着目した。つまり、褥瘡が顕在化する前に生じるこれらの病態を経皮的に検出することができれば、最も正確な褥瘡発生予測となると着想した。本研究の目的は不顕性変化を工学的・分子生物学的手法により皮膚局所で捉える新たな褥瘡発生予測技術を提案し、もって褥瘡発生低減による在宅療養者のウェルビーイング向上を目指すものである。 平成26年度に作成した対照マウス、消褪する発赤を呈するマウス、消褪しない発赤(I度褥瘡)を呈するマウスのモデルを用いて実験を行った。まず、褥瘡発生メカニズムに着目し、低酸素、虚血再灌流障害、リンパ管障害、細胞変形の4つのパスウェイがI度褥瘡モデルで発言していることを免疫組織化学で確認した。研究室のデータや文献から各パスウェイを示すバイオマーカー候補を絞り、その発現を免疫組織化学で確認したところ、I度褥瘡モデルで顕著に増加していることを確認した。さらに、それらバイオマーカーを経皮的に非侵襲的に採取するため、スキンブロッティング法を採用し、皮膚から検出できることを確認し、定量解析に供した。その結果、IL-1αおよびVEGF-Cがマーカー候補となることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に開発した動物モデルを用いて褥瘡発生を精度よく、かつ非侵襲的に予測できるバイオマーカー候補を絞り込むことができた。この成果は米国特許仮出願し、また海外専門誌へ投稿中であることから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度に探索したバイオマーカーを用いて褥瘡発生の超早期予測が可能であるかどうかを臨床研究で検証する。
|
Causes of Carryover |
年度末に購入を予定していた測定機器に変更が生じたため、年度を改めて発注することとしたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
変更通りに測定機器を発注する。
|
Research Products
(2 results)