2015 Fiscal Year Annual Research Report
ライフライン災害復旧における最適化手法の研究とソルバー開発
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26730010
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
吉良 知文 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (50635860)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 最適化理論 / スケジューリング / 配送計画問題 / 相互依存制約 / 動的計画法 / マルコフ決定過程 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数理最適化の理論と応用の研究を通して培った知見を融合させ、災害発生時のライフライン復旧計画・復旧作業のための人員配置・作業割当に関する最適化手法を様々な角度から検討し、モデルの拡張性・スケジューリングの速さ・出力解の質の全てにおいて世界最高レベルの災害復旧スケジューリングソルバーを開発することである。
最終年度である平成27年度は、初年度である平成26年度の成果を元に、大規模災害への対処を本格的に検討し、解法のチューニングをおこなった。研究代表者の従来の成果であるマトリクス・スケジューリングでは、災害の規模が大きくなるにつれて、与えられたスケジュールにおける局所的な改善ポイントを見つけだすことが難しくなるが、探索箇所を効果的に絞る方法を提案した。さらに、大規模最適化問題に対する超高速計算の研究で著名な藤澤克樹氏（九州大学、JST CREST）および(株)富士通研究所との共同研究により、スーパーコンピュータ上で実行可能なスケジューリングソルバーを開発した。
計算実験では、復旧箇所：506、作業班：64の大規模インスタンス（福岡県の交通規制情報付き道路ネットワークデータを使用）に対して、九州大学情報基盤研究開発センターの高性能演算サーバ「FUJITSU Server PRIMERGY CX400」を使用し、高効率な並列計算を実行することで、制約条件を満たす適切な復旧作業スケジュールを3分という実用可能な時間内で完了させることに成功した。これにより、大規模災害時に被害の拡大状況や復旧の作業進捗に応じた最新の計画をリアルタイムに提示することが可能となる。
得られた成果を国際会議ISMP2015にて発表した。また、九州大学および(株)富士通研究所による共同プレスリリースをおこない、新聞紙等にも掲載されるなど、成果を国民に向けて広く公表した。
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