2014 Fiscal Year Research-status Report
高速な規模伸縮が可能な低消費電力クラウド分散データベース管理システム
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26730040
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
山口 実靖 工学院大学, 工学部, 准教授 (50439262)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | データストレージ / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
PCクラスタで構築したクラウドシステム上に分散KVSを構築し,その性能伸縮性の評価(ノード追加削除時間の測定)を行った.そして,I/O装置とOSの振る舞いの解析システムを実装した.詳細は以下の通りである. まず,十台程度のPCクラスタを用いてクラウドシステムを構築した.クラウドシステムは解析システム構築用に,オープンソースOSであるLinuxを用いて構築した.そして,当該PCクラスタの上に分散KVSシステムを構築した.分散KVSシステムも同様にオープンソースである実装を用い,著名な分散KVSの一つであるCassandraを用いて構築した.そして,構築した分散KVSシステム上にて,ノード追加削除を行い,基礎性能の評価と発展的な性能の評価を行った.基礎性能評価では,総データ量(データベースサイズ),ノード数,DBトランザクション負荷量とノード増減性能(ノード追加削除時間とノード追加削除時のDB性能)の関係などを測定した.発展的な測定では,I/O最適化部(I/Oスケジューラなど)やHDDの使用領域とノード増減性能の関係などを測定した.そして,分散KVSの動作解析システムを構築した.これはKVS(Cassandra),ゲストOSとホストOS(Linux)と仮想化システム(KVM)のソースコードを改変することにより実装し,これによりKVSの追加ノードにおけるデータのファイルへの保存,OSにおけるI/O処理(SCSIサブシステムやブロック層におけるI/O要求の発行)を記録や観察可能とした. 当該解析システムをKVSシステムのノード追加処理に対して適用し,ノード追加時のKVSシステムの動作を確認したところ,ノード追加処理の一部のフェーズにおけるボトルネック処理に関連する処理の発見がなされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画の全てを達成している.すなわち,PCクラスタとLinuxを用いたクラウドシステムの構築,Cassandraを用いたKVSシステムの構築,動的ノード追加削除実験による性能伸縮性の評価,オープンソース実装の改変によるI/O装置とOSの振る舞いの解析システムの構築を達成している. また,研究実施計画の予定通りに学会発表を行い,学会で受賞し表彰を受けることができた.さらに,発展的な性能測定を達成するなど一部において当初の計画を上回る成果を上げている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね研究実施計画の通りに進展しており,一部において研究実施計画を上回る成果も上がってる.よって,今後も研究実施計画にそって研究を推進させ,研究実施計画を上回る成果が上げられると期待できる部分に関しては研究実施計画以上の成果を目標に研究を推進させる.具体的には,昨年度開発したKVS解析システム上でノードの追加削除の実験を行い,解析システムを用いてノード追加削除中の分散KVSとOSのI/O最適化部の動作を観察する.そして観察結果をもとに性能の考察を行い,性能劣化原因を特定する.その後,KVSとOSとクラウド基盤の統合最適化を行い,ノード追加時間の短縮と,追加削除中のKVS性能の改善を行う.また,性能最適化の取り組みで得られた知見を解析システムにフィードバックし,解析システムのさらなる改善を行う.
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Causes of Carryover |
環境構築用計算機を安く購入することができたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定より多くの学会発表を行う.
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