2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26730041
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
早川 智一 明治大学, 理工学部, 助教 (00714700)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Webブラウザ / セキュリティ / プロキシ / Web browser / security / proxy / HTML5 / JavaScript |
Outline of Annual Research Achievements |
研究テーマである「安全なWebブラウジング」を実現するために,仮想Webブラウザ(以下,仮想ブラウザ)と呼ばれるソフトウェアを設計し,そのプロトタイプを実装して評価を行った。 仮想ブラウザの目的は,Firefox・Chrome・Operaなどの一般的なWebブラウザ(以下,ブラウザ)を利用してインターネットを閲覧している利用者(以下,閲覧者)に害を及ぼす悪意のあるコンテンツ(例:ウイルスやワームなど)を含むWebページ(以下,悪意のあるページ)から閲覧者を保護することにある。 仮想ブラウザは,閲覧者が要求したWebページを外見が等価な画像に透過的に変換することで,仮に閲覧者が悪意のあるページにアクセスしてしまったとしても,その脅威を無害化することができる。また,仮想ブラウザは閲覧者が要求したWebページを画像化して無害化する点以外ではブラウザと同様に振る舞うため,閲覧者は自分が使用しているブラウザが仮想化されているかどうかを意識することなく無害化の恩恵にあずかることができる。 仮想ブラウザとそのプロトタイプの設計・実装には,HTML5とJavaScript関連技術とを用いた。これにより,閲覧者は,特別なソフトウェアを導入することなく,自身のブラウザのみを用いて仮想ブラウザを使用することができる。 実装したプロトタイプを用いた評価の結果,仮想ブラウザが閲覧者の利便性(例:ネットワークの転送量や画面の応答速度など)を大幅に犠牲にすることなく安全なWebブラウジング機能を提供できることを確認した。 これらの研究成果は,情報処理学会論文誌57巻2号pp.573-582「HTML5を用いた仮想Webブラウザの提案と評価」として発表済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の現在までの達成度としては,おおむね順調に進展していると考える。この理由としては,以前から基礎的研究として進めてきた研究成果を元に本研究を遂行しているため,一連の研究手順における手戻りが少ないことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,設計・実装を改良することによる機能性・利便性の向上を検討している。具体例としては,Webページの部分的な画像化や処理の並列化による高速化などを検討している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,当該年度の本研究の大部分がソフトウェアの設計・実装・評価であり,ハードウェア等への投資が発生しなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の使用計画としては,本研究の詳細評価・追加評価・拡充改善で必要なハードウェア環境やネットワーク環境の整備のために使用する予定である。
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