2014 Fiscal Year Research-status Report
日常物に擬態したセンサを用いた透過的なセンサシステム基盤の開発
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26730047
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
前川 卓也 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447025)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | ユビキタスコンピューティング / コンテキストアウェアネス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において，電源タップに擬態するセンサまたは配電盤に設置したセンサを用いて，屋内環境に敷設された電気系統をセンシングし，電化製品の屋内での利用位置を推定する手法を実現した．
具体的には，電気系統を流れる電流を電流センサにより観測し，電圧降下現象を用いて交流電源から電化製品のプラグが挿入されているコンセントまでの距離を推定することで，電化製品の位置を特定する．本研究では位置の推定を電流センサのみを用いることにより実現したため，電化製品にRFID などの位置計測用タグを添付せずに，電化製品の利用場所を推定できる．家電の利用位置推定技術は，実世界現象の理解や実世界指向アプリケーションの実現のための基礎的技術になると考える．例えば，ユーザ位置や家電利用位置アウェアなサービスの提供，日常行動の認識，家電の利用を介したユーザの位置推定，家電利用位置に基づく部屋の役割（ダイニングルーム，リビングルーム，ベッドルームなど）の理解などのアプリケーションへの利用が考えられる．
また，実際の屋内環境において評価実験を行い，１つの家電のみが１つの電気系統で稼働している場合は，約2.4メートルの誤差で家電の位置を特定できた．複数の家電が同時に稼働している場合も，約2.6メートルの誤差で家電の位置を特定できた．最も単純な手法を用いた場合，複数の家電が同時に稼働している場合の誤差は約4.2メートルであり，約1.6メートルの誤差低減を実現した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コンセントに擬態したセンサシステムの実現に関して，当初の計画以上の進展が見られた．実際にデバイスの作成，手法の考案・実装，評価実験までを終わらせた．
さらにその成果は，当該分野のトップカンファレンスであるUbicomp2014にフルペーパーで採録された．その採択率は20.7%であった．
３年間の研究期間の間に，トップカンファレンスのフルペーパー論文採択が１本あれば十分と考えていたが，１年目で達成することができた．
さらに，情報処理学会論文誌にもその成果が採択されており，情報処理学会研究会で発表した研究報告に関しても1件の賞を受賞している．
上述のように，トップカンファレンスフルペーパー1本，論文誌1本，受賞1件の成果を得た．
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| Strategy for Future Research Activity |
上述の通り，電源タップに擬態するセンサシステムに関しては，十分な成果を得た．計画当初は，家庭用照明に擬態するセンサおよび乾電池に擬態するセンサシステムの開発を進める予定であった．本年度は，まず家庭用照明に擬態した屋内位置測位システムの開発を進める．家庭用照明のバルブと電球の間に取り付け可能な電波発信センサノードを用いて，屋内の人の位置を推定する．このとき，屋内の人がスマートフォンなどの電波受信機を持たずとも位置測位が可能なシステムを実現する．
また，乾電池に擬態するセンサに関しては，計画当初に利用する予定であった省電力無線モジュール搭載小型マイコンの購入が日本国内から不可能になってしまい，乾電池の筐体に収まりきるノードの作成が困難になっている．そのため，電源タップや照明に擬態するセンサシステムを前倒しで開発している．今後，そのような小型マイコンが入手可能になれば，乾電池に擬態するセンサの開発を迅速に開始する．入手が困難であれば，本研究の基本コンセプトである，日常物に擬態するセンサシステムの枠組み内において，新たなセンサシステムを1つ来年度に開発する．
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| Causes of Carryover |
上述の通り，省電力無線モジュール搭載小型マイコンの購入が日本国内から不可能になってしまったため，その購入費や周辺部品の購入費を執行できていない．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
しかし来年度以降の計画に記述した通り，購入が可能になれば迅速に発注を行う．また，購入が可能にならない場合も，家庭用照明に擬態するセンサシステムを前倒しで開発しているため，その製作に必要な部品や備品の購入に充てる．
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