2016 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Transparent Sensor Systems based on Sensors that Mimic Daily Objects
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26730047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前川 卓也 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447025)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ユビキタスコンピューティング / コンテキスト推定 / 屋内位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,透過的な屋内位置推定手法として,赤外線カメラと再帰性反射材を用いたプライバシに配慮したデバイスフリー屋内位置推定手法を実現した.提案手法では環境内に添付した再帰性反射材によるマーカを,赤外線 LED を搭載した赤外カメラで観察し,人物によるマーカの遮蔽情報からカメラとマーカ間の人物を追跡する.ここで,赤外線カメラデバイスとは,赤外線カメラと赤外線 LED からなる装置であり,赤外線 LED が照射する方向を赤外線カメラで撮影する.再帰性反射材とは,入射光を入射した方向と同じ方向に反射する素材であり,光源と同じ位置に設置したカメラで光源の発した光の反射光をとらえることができる.提案手法では,環境内の壁などに複数添付した再帰性反射材を赤外線カメラデバイスで撮影し,デバイスと反射材の間を人が通過したことを反射材の遮蔽情報を利用して検知する提案手法では,環境に添付したマーカの遮蔽情報を用いることから,追跡のためのタグやデバイスなどを人物に添付する必要がない.また,可視光を撮影しない赤外線カメラを用いることで,人物の外観を記録することなく推定を行うことが可能である.本研究では,実環境において評価実験を行い,平均誤差がおよそ 0.3 m と高精度な推定が可能なことを示した.
この成果はユビキタスコンピューティング分野のトップ会議の一つであるIEEE Int'l Conf. on Pervasive Computing and Communications (PerCom 2017)にフルペーパーとして採録され,国際的に非常に高く評価された.そのフルペーパー採択率は約14%であった.昨年および一昨年もそれぞれトップ会議の一つであるInternational Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (UbiComp)にフルペーパー論文が採録されており,研究期間を通じて国際的に非常に高いレベルの成果を得た.
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