2015 Fiscal Year Research-status Report
通信被害地域における被災者情報収集・共有・拡散手法に関する研究
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26730050
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
樫原 茂 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (60380739)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 災害情報 / Wi-Fi / センシング / UAV / ドローン / 情報収集 / 無線LAN / 無人航空機 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、災害直後の被害状況を把握するために、Unmanned Aerial Vehicle(UAV)を活用した情報収集手法について取り組んだ。災害時において、地方公共団体等は救助活動を行うためにも迅速に罹災状況を把握する必要があり、現在、罹災状況を収集するためのツールの一つとしてUAVの利活用が期待されている。そこで、我々は、UAVで取得できる映像情報に加え、センシング情報も取得可能な災害情報収集試作機としてのUAVを作成し、その有用性を示すためにデモンストレーションを行った。また、UAVは上空を飛行するため、利点もあるが安全に運用することが特に重要となる。しかし、現時点ではUAVの具体的な運用方法については決まっていない。そこで、これまでに我々が行ってきた運用事例についても紹介し、地方公共団体等(高知県危機管理部、高知市消防局、香美市消防局、神戸市危機管理部、精華町消防局)とも情報共有を行った。UAVによる情報収集手法としては、上空から被災者のスマートフォンから出力される無線LANの電波のWi-Fiセンシングを行い、避難行動要支援者の存在確認の可能性を示した。また、プロトタイプを用いた実験より、空撮映像に加え、上空からのWi-Fiのセンシングにより、目では見えない情報を視覚化することの有用性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の大目標であるUAVの自動航行によるスマートフォンの電波の検知による情報収集を行うことができ、国内研究会において発表を行った。また、現場に関わっている消防局等との連携を行うことができるようになり、より社会に還元できる研究内容に近づいている。一方で、無人航空機に対する航空法が施行により、UAVを利用した環境が限られてしまったため、平成28年度においては、UAVの利用に対する手続の調査を含める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、これまでの研究成果を用いた実験を行う。当初の実施計画では、UAVを用いて有効性を示すことを予定しているが、航空法の改正の影響もあり、UAVを用いた実証実験に近い形での実験方法について検討する必要がある。また、これまでに投稿した国内研究会等の論文内容を拡張し、ジャーナル化も並行して行う。
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Remarks |
災害情報に関する研究は地方公共団体等の現場の方無しでは進めることはできない。そこで、産官学が連携して、災害情報をどのように収集すればよいか考えていくための勉強会を開いた内容が高知新聞の2015年11月26日の朝刊に掲載された。なお、本勉強会は今年度も継続して行う。
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Research Products
(11 results)