2015 Fiscal Year Annual Research Report
不合理なユーザの振舞いがもたらす合理的な受付制御方式の研究
Project/Area Number |
26730053
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 純子 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (90633909)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 受付制御 / QoS / 待ち行列理論 / 不合理 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,スマートフォンなどの端末の普及により,有限なネットワーク資源を有効活用するため,通信を適切に受付判断する受付制御技術の重要制はますます高まってきている.一方,これまでのシステム構築は,ユーザの合理性を基本に設計されてきた.しかし,実際のユーザの合理性は限定されており,有限な通信資源を有効活用することができないため,ユーザの不合理的な要素も考慮した新たなシステム設計する必要がある.そこで,本研究では,このようなユーザの不合理な行動を考慮するという新たな観点による受付制御方式を期間内に実現させることを目的とする. 本研究では,まずユーザの不合理な行動として,ストリーミング通信を希望しているユーザが,例えば,トラヒックの負荷が高い場合に,ストリーミング通信を遠慮するというユーザ行動を考え,待ち行列理論を用いてモデル化を行った.具体的には,このユーザ行動は,通信開始の待機,または要求帯域の変更として考えた.この一見そのユーザにとっては不合理な行動を考慮した受付制御システムでモデル化し,解析することで,全ユーザの合計満足度が大幅に向上可能であることが明らかとなった. さらに,申請者は,受付制御を用いる具体的なネットワークとして,光アクセスネットワークの一種であるPONに着目して,上り通信に対する受付制御の解析も行った.その結果,一般的に使用されているPONでは,通信要求から通信開始までの待ち時間が大きくなってしまう問題点を発見し,その問題点を解決することで,大幅に待ち時間を削減可能であることを明らかにした.この解析結果は,全て厳密解で導出しているため,これまでに行った一般的な有線ネットワークにおける不合理なユーザの行動を考慮したモデル化に拡張可能であると考えている.今後は,この光アクセスネットワークに対しても,不合理なユーザ行動を考慮した合理的なシステムを解析していく予定である.
|
Research Products
(4 results)