2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26730072
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 観自 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (20727086)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 系列学習 / 共同学習 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に系列学習と呼ばれる連続的な行為の学習は,日常生活における車の運転だけではなく,航空機の操縦といった非日常的なシーンにおいても見られ,系列学習が必要とされる範囲は広い.後者の場合,系列の操作は複雑かつ慎重に遂行されるため,複数の人数で系列を操作する機会が多い.車の運転といった個人で遂行される系列学習の認知過程はこれまで検討されてきたが,共同学習における認知過程に関しては未だに明らかになっていない部分が多い.そこで本研究では,系列学習における共同学習の認知基盤を構築することを最終的な目的に,初年度の研究を進めた.まず初年度では,人が系列学習時に外界の手がかりを上手く学習に活用できるのかを検討した.実験では,4×4のマトリクスで配置されたボタンを用いて,参加者にボタン押しの順番を学習させた.その際,色または形が異なるボタンを採用することで,空間的なボタン配置と時間的なボタン押し順序に加えて,それぞれのボタンが持つ固有の手がかりを作成した.その結果,人はボタン押し系列を学習する際に,色や形の外界的な情報を上手く活用することで,学習を促進していることが明らかとなった.人が外界情報を上手く学習に活用できることを示せたことは,共同学習といったより複雑な状況においても他人の行動による情報を活用できる可能性を示唆しており,次年度以降に行う実験の基礎となる知見を得た.本成果は,次年度中の学会において発表する予定であり,それらをまとめたものを査読付き国際誌に投稿する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関する予備的研究の成果が,査読付き学術論文として掲載された.また,学会発表等を通じて多くのフィードバックを得ることができ,それらを元に,現在は新たな研究成果を査読付き国際誌に投稿する準備をしている.研究の実施状況としては,本実験を開始することができた.これらのことから,現在までの達成度は,おおむね順調であると思われる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も,初年度と同様に,実験成果の発表および論文執筆を行い,実験も滞りなく進めていくことで,系列学習に関する共同学習の認知基盤構築を目指していく.
|
Causes of Carryover |
本実験で使用する予定であったタッチパネルモニタを使用する実験の開始が,次年度に変更になったので,計上していた物品の購入費および実験に関する人件費を使用しなかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
タッチパネルモニタおよび実験に必要な人件費および謝金に使用する計画である.
|
Research Products
(3 results)