2015 Fiscal Year Research-status Report
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26730072
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 観自 早稲田大学, 理工学術院, 研究員 (20727086)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 系列学習 / 共同学習 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では,試行錯誤を伴いながら連続的な系列を学習していく場合,エラー後の学習の方法によって学習効果が変化するのかどうかに着目し,系列の学習中にエラーが生じたとき,系列の最初からやり直す場合とエラーが生じた場所からやり直す場合の学習効果を比較した.実験では,視覚運動系列学習課題を採用し,タッチパネル上に4×4のボタン(16個)を呈示した.実験参加者に点灯しているボタンの押す順番を試行錯誤しながら学習させる際に,2種類の方法を用いた.一つ目の条件では,参加者が系列の途中で間違えた場合,次の試行は系列の最初からやり直させた.二つ目の条件では,参加者が途中で間違えたとき,次の試行は間違えた箇所からやり直させた.なお,本課題では系列の最初のパターンから最後まで連続で正解しなければ成功と見なされないので,途中からやり直して最後のパターンに到達した場合は,成功とは扱われなかった.結果として,最初から系列操作をやり直す方が,その場でやり直す場合に比べて,少ないエラー回数かつ速い平均速度で操作できることが明らかとなった.特に,最初からやり直した方がその場でやり直す場合に比べて成功試行時の平均速度が速かったことは,最初からやり直すことで系列の途中まで連続でボタン押しができるので,結果として,成功したときに運動に関する学習がすでに進んでいたと言える.まとめると,系列を学習するときには,その場でやり直しながら試行錯誤するのではなく,間違えたときに最初に戻った方が効率の良い学習に繋がることを示唆している.本年度の成果は,国内学会で発表され,また査読付き国際誌に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関する研究成果が,査読付き学術論文として掲載された.また学会発表等を通じて多くのフィードバックを得ることができ,それらを元に,現在は新たな研究成果を査読付き国際誌に投稿する準備を進めている.現在も複数の実験を実施していることから,現在までの達成度は,おおむね順調であると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も実験成果の発表および論文執筆を行い,実験も滞りなく進めていくことで,系列学習に関する共同学習の認知基盤構築を目指していく.
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Causes of Carryover |
複数の実験の実施が次年度に変更になり,計上していた人件費を使用しなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
変更された実験に必要な人件費および謝金に使用する計画である.
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Research Products
(5 results)