2016 Fiscal Year Research-status Report
材質知覚に関する感覚間情報統合の発達メカニズム解明の実験的研究
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26730076
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山下 和香代 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (70580067)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知覚 / 発達 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
「ざらざら」した表面はその材質から発せられる音と、材質が持つ視覚パタンから判別することができる。このような表面材質知覚は物体を安定して知覚するためには欠かすことができず、我々は事物の素材や状態などの情報を随時あらゆる感覚器官で知覚し統合している。本申請による研究では、表面材質の視聴覚情報統合に着目し、視覚・聴覚刺激を統制した上で、表面材質の視聴覚情報統合の発達過程解明のため乳児を対象に実験的に検討することである。本年度は、昨年度に引き続き行動実験を行った。乳児が材質音を聴いて表面材質画像にその音がマッチするかどうかを判断させた。昨年度検討した材質に加え新しい材質を用い材質による違いを検討したところ、光沢のある表面材質とない表面材質では乳児の視聴覚情報統合に違いがある可能性があった。さらに現時点では、低月齢児と高月齢児では視聴覚情報統合に違いがある可能性があり、物体表象への発達段階での違いが示唆されている。引き続きデータを取得し、分析し検討していく。また、本年度は視聴覚情報統合に関する脳の発達過程を探るため表面材質とその音の関係の一致・不一致を視覚―聴覚同時観察するときの脳活動計測実験を4-8ヶ月の乳児対象に行った。これに関して29年度は学会発表、論文投稿の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度から実施している行動実験でのデータ収集および分析を28年度も継続して行いつつ、28年度に目的としていた脳活動計測実験を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
脳活動計測実験のデータを論文にまとめる作業を進めながら、平成28年度に続けて追加した表面材質による行動実験でのデータ収集および分析を行う。これまで実施してきた馴化脱馴化実験で検討を続けつつ、選好注視実験による検討も追加する予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究先にて実験資料、実験機器、被験者提供を受けることができたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
刺激呈示材質追加に伴う乳児の行動データ取得をするための旅費と分析のための人件費に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] The activation of the temporal area during audiovisual material matching in infants.2017
Author(s)
Ujiie, Y., Yamashita, W., Fujisaki, W., Kanazawa, S., Yamaguchi, M.K.
Organizer
Vision Sciences Society 17th Annual Meeting
Place of Presentation
Florida, USA
Year and Date
2017-05-19 – 2017-05-24
Int'l Joint Research
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