2014 Fiscal Year Research-status Report
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26730077
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
宮田 裕光 東京大学, 大学総合教育研究センター, 准教授 (80726696)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | マインドフルネス / 瞑想 / 情動 / 可塑性 / 読書 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
精神修養実践者の日常におけるマインドフルネスおよび心理状態を、質問紙調査による横断的研究によって検討した。マインドフルネス認知療法(MBCT)では、慢性的な疼痛や疾病を持つ患者が、中期的な訓練を通して心理状態の望ましい方向への変容を示すことが示唆されており、同様の変容が日本人の中～長期的実践者で見られるかを検討した。用いた質問紙は、マインドフルネス、主観的幸福感、抑うつ、気分評定、共感性に関するもので、いずれも日本語版の妥当性が検証されたものだった。平成25年度以前に、ヨガ実践者を対象とした調査において、実践者は非実践者と比較してマインドフルネスや主観的幸福感の自己評定得点が高く、抑うつやネガティヴ気分の得点が低いといった、望ましい心理状態を示唆する結果が得られている(Miyata et al., 2014)。平成26年度には、呼吸法および注意集中法を含む瞑想的方法に基づいた読書法(速読法)の実践者52人を対象として、同様の調査を行った。実践者の実践期間は、数カ月から数10年の範囲であった。予備分析の結果から、実践者では瞑想法の非実践者(平成25年度以前に取得したデータ)と比較して、マインドフルネスや主観的幸福感の得点が高く、抑うつの得点が低い傾向が示唆された。異なる種類の瞑想的訓練に共通する、訓練実践の効果が見られる可能性がある。
また、自律神経計測装置NeXus-4を購入し、平成27年度以降の計測調査の実施に向けた準備を進めた。
加えて、平成25年度以前に得られたヨガ実践者における研究結果を、日本マインドフルネス学会第1回大会においてポスター発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度以前において、ヨガ実践者におけるマインドフルネスおよび心理状態の望ましい方向への変容に関するデータが得られていた。平成26年度においては、調査対象を瞑想的方法に基づいた読書法(速読法)の参加者に拡張することで、訓練を通した内的状態の変容が、異なる訓練の種類に共通したものであるかの検証を進めることができた。平成25年度以前に構築していた教室との信頼関係を踏まえて、中～長期的実践者52人の研究協力を得、質問紙データを取得することができた。また、自律神経計測装置を購入して計測準備を整え、平成27年度以降における瞑想中の自律神経活動の計測調査に向けた準備を整えることができた。これらから、研究はおおむね順調な進展をみたと考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施した質問紙調査については、訓練者におけるデータ解析がまだ途上であるとともに、年齢、性別、収入等を厳密に統制した非訓練者でのデータは未取得であることから、今後それらを引き続き進めることが必要である。加えて、身体生理機能を含めた情報処理過程の訓練による変容を検討するには、自己報告による内観に加えて、自律神経機能を含めた生理指標を得ることが重要だと考えられる。そのため今後は、瞑想実践中の心臓血管系や皮膚コンダクタンスを含む自律神経活動を、平成26年度に購入した自律神経計測装置NeXus-4を用いて計測する。特に、異なる瞑想を実践している際の自律神経活動を、同一の熟達した実践者において比較し、熟達者が瞑想内容に応じて身体生理状態を能動的に切り替えているかを検討する。
これらの研究を順調に進めるため、精神修養の実践者との信頼関係の構築と維持に引き続き努める。また、得られた成果について学術雑誌論文、学会等での発表を順次進める。
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| Causes of Carryover |
データ保存用HDD、文房具等の消耗品について、平成26年度に既に購入したものを使用し、追加して購入する必要が無かったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に必要となるデータ保存用HDD、文房具等の消耗品の購入に使用する。
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Research Products
(6 results)
