2014 Fiscal Year Research-status Report
高階エネルギー最小化に基づく高次元画像処理のための逐次的エネルギー設計
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26730097
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
望月 義彦 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (00609191)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高階エネルギー最小化 / グラフカット / 医用画像 / セグメンテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コンピュータビジョンにおける問題の解法の一つであるエネルギー最小化の枠組みにおいてグラフカットによる解法を扱う。これは効率良く離散最適化問題を解くことができるが、既存のアルゴリズムで解くことのできる問題のクラスに近年まで制限があった。2011年に任意の高階エネルギーを1階に還元して解く手法が提案され、どのような問題にでも適用可能となった。これらは高階エネルギーと呼ばれ、計算コストが大幅に増加し、容易に解けないことが知られている。また、高階のエネルギーをどう定義すべきかも問題である。 本年度は、三次元医用画像に対する複数臓器の同時領域分割を対象とし、高階エネルギーの具体的な設計と理論的な解析のための同時確率分布の適用を行った。前者は、設計の難しい高階項の例として、先験的知識を利用する。臓器の境界部分には画素値の変化が鋭く現れる。従来の平滑化項と呼ばれる低階エネルギーでは表現できなかった、連続性と不連続性を両方表現する項を設計した。項は、依存する変数の空間的な配置によりさまざまに変化するが、精度向上が期待でき効果的な配置を構成的に検討した。 また、後者は、今後高階項への拡張を行うための準備として、低階項を同時確率の形式で表現し、分割精度への影響を評価した。同時確率分布は1階程度であれば推定はできるものの、より高い次元では学習方法に更なる工夫が必要となることが明らかになった。 それぞれ、成果報告として、国際会議MVA2015に投稿し、採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り概ね順調である。理論的な解析および効率良く大量の実験を行うために、更なるソフトウェアの開発と改良が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの成果を元に、高階エネルギー項の実験的な調査と、同時確率分布を基にした理論的な高階項の設計を行う。 どちらも、効率良く行うためのソフトウェアを開発し、また大規模実験を実時間で行えるように大容量メモリを搭載したマシンを使って行う。 また、本成果を物体復元などの別の手法に適用することを検討する。
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Causes of Carryover |
前年度購入予定だった大規模メモリマシンについて、仕様の再検討を行い、現在の環境で使用している石川研究室で新規購入した機器での使用を行うことにしたため、購入を見送った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現段階では十分な能力があるものの、今後更なる計算資源が必要な場合に備えて、新しい機器の購入を検討している。
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