2014 Fiscal Year Research-status Report
自動車運転支援のための運転者の認知状態推定に関する研究
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26730098
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
道満 恵介 中京大学, 工学部, 講師 (90645748)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視認性推定手法の開発 / 実験用データセットの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,「研究の目的」および「研究実施計画」に記載した達成事項1および達成事項2について検討を行った.具体的には,達成事項1)複雑なシーンコンテキストにおける物体の視認性推定手法を検討し,被験者実験を通じてその有効性を調査した.また,達成事項2)運転者の視界を考慮した物体の見つけやすさの定量化手法を開発し,被験者実験を通じてその有効性を調査した. 達成事項1について,ここで開発を目指す手法は,運転者の認知状態を推定するにあたり基盤となるものであり,今後の研究を進める上で非常に重要となる.そこで本年度は,これまでに実施した予備調査で得られた知見を基に,視認性推定に有効な画像特徴やそれらを統合する枠組みを検討した.そして,その成果の一部を国際会議にて発表した.また,歩行者,道路標識,信号機等が混在する複雑なシーンにおけるコンテキストを利用するための準備として,実験用データの収集および整理を行った. 達成事項2について,雨天時にフロントガラス上に付着する雨滴が運転手の視界を悪化させることに着目し,フロントガラス上の雨滴の画像特徴を考慮した視認性推定手法を検討した.「研究実施計画」に記載した通り,達成事項2は,達成事項1で開発された手法を基に開発を進めることを考えている.ただし,達成事項2については,雨天時を対象としている関係で,手法の評価に適した車載カメラ映像を収集することが困難となる.そのため,本年度は達成事項1に注力する一方で,達成事項2における評価に必要な実験用データの収集・整理を重点的に進めた.それと並行して,これまでの研究における知見を基に,予備調査で有効性が確認された画像特徴や統合の枠組みについて小規模な評価を行った.今後は更に大規模な評価実験を実施し,その成果をまとめて学会等で発表することを考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では,「研究の目的」に記載した達成事項1および達成事項2の達成を目標としていた. しかし,達成事項1については,実験用データセットの構築に予想より長い期間を要したこと,また,検討する手法の有効性が十分に確認できなかったことから,やや遅れている状況である. その影響で,達成事項2についても,主に実験用データセットの構築は進めているが,手法の開発および評価にはまだ着手できておらず,やや遅れている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に記載した通り,「研究の目的」に記載した達成事項1および達成事項2を遂行するための準備は進められているため,早急に手法の開発および評価を実施したいと考えている.
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Causes of Carryover |
本年度は,実験用機器の購入,国際会議への旅費,学会参加費に充てたが,それぞれの価格が計画段階から変動したこと,また一部の支出額が見積り額であったことから,結果的に次年度使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度も,実験用機器,国際会議への旅費,学会参加費に充てることを考えているが,そこで不足額が発生した時のために使用することを考えている.もし不足金が発生しなかった場合は,円滑な実験のために必要な機器の追加を検討する.
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Research Products
(5 results)