2014 Fiscal Year Research-status Report
舞台芸術の創作空間による自律的キャラクタ動作の演出
Project/Area Number |
26730103
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三武 裕玄 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (30613939)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 動作生成 / 感覚運動モデル / ヒューマノイド / 印象語 / 自己組織化写像 / 演技 / コンピュータグラフィックス / バーチャルクリーチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
動作・ポーズ、音声の抑揚、動作を形容する印象語の3種類の指示による動作生成パラメータ操作手法をそれぞれ実現した。 演技例を入力とし、自動生成された動作との差分を最小化するようパラメータを決定する手法を実現した。環境に対するキャラクタの反応動作を指示できるよう、環境変化と動作の組み合わせを指示入力とした。指示された環境変化への反応動作をランダムな動作パラメータにより生成し、指示された動作との一致度を計算する。CMA-ESの手法により最も一致度の高くなるパラメータを求めた。実験では注視対象の時系列を入力としてキャラクタの注意動作のパラメータを決定できた。 声の抑揚を用いて、動作パラメータを具体的な動作例の指示を必要とせず調整できる手法を実現した。まず人の動作を観察し、手先到達動作では声の高さの時系列と連想される到達運動の速度との間に関係がある事を見出した。そこで、人の到達動作のモデルとして知られる躍度最小軌道の中から、指示された抑揚に最も近い速度変化を持つ軌道を計算し動作を生成する手法を実現した。提案手法に基づくデモを作成し、インタラクション2015にて展示発表を行った。 印象語の指示により動作生成パラメータのデザインを可能にする手法を実現した。多数の人間から動作生成パラメータと印象語との対応関係を収集し、自己組織化写像を用いて印象語に対応するパラメータ分布と隣接関係を二次元平面に写像・可視化する「印象マップ」を実現した。これにより印象語の組み合わせに基づく直感的な動作デザインを可能とした。実験から、印象マップと従来のパラメータ入力の併用が有効と分かった。 提案手法を公開し利用してもらうための基盤として、3次元CGソフトウェアに提案する動作生成エンジンを組み込んだソフトウェアツールSprBlenderを作成し、SIGGRAPH2014 Studioにてデモ展示を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動作の入力によるパラメータ操作の手法を実現し、抑揚入力・印象語入力による手法についても基礎的な実現を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
動作の入力によるパラメータ調整手法においては、人間同士の共同組立作業を対象として動作データの収集を進め、パラメータのみならず行動決定ルールの自動獲得も目指す。 抑揚を入力とする手法は、動作で消費するエネルギーと抑揚との対応関係を用いることで人の想像する動作により近い結果が得られるような手法を目指す。 印象語を入力とする手法は、クラウドソーシングにより印象語・パラメータ対応関係の大規模な収集を行い、検証と改良を進めたい。
|
Causes of Carryover |
計算機及びプロジェクタを当初予定より安価に調達できたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
クラウドソーシングを当初より大規模に利用する可能性があるため、クラウドソーシング利用料として使用する。
|