2015 Fiscal Year Annual Research Report
舞台芸術の創作空間による自律的キャラクタ動作の演出
Project/Area Number |
26730103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三武 裕玄 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (30613939)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動作生成 / キャラクタAI / 隠れマルコフモデル / ヒューマノイド / 姿勢最適化 / バーチャルクリーチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、人の行動・動作例から行動のパターンを抽出して行動決定モデルを自動獲得する研究、および、大まかに指示されたポーズに対し身体負荷を考慮することで自然なポーズに修正する研究を行った。 デジタルゲーム等のキャラクタはキャラクタAIのアルゴリズムが状況に応じて行動の選択を行うが、自然でキャラクタらしいキャラクタAIの作成・調整は試行錯誤によって人の手で行う必要があり手間がかかる。そこで人間の反応行動を記録した動作データから状況に対する行動の時系列変化を抽出し、隠れマルコフモデルを学習することで、状況に応じた行動決定のパターンを自動獲得する手法を実現した。実験ではランダムに出現するマーカーを手で追いかけるタスクを設定し、素早い追跡と大げさな追跡の異なる行動事例の学習に基づいて反応行動を生成したところ、生成された行動においても違いが再現された。 具体的な動作の演出指示を行うには演出家が動作の詳細を思い描けている必要があるが、実際には大雑把な動作は思い描けても詳細なポーズまでは想像できていない事が多い。そこで、与えられた大雑把なポーズに対し、より自然なポーズを提示する仕組みを実現した。キャラクタの筋負荷とバランスを考慮し、入力ポーズに近く、より筋負荷の少ないポーズを最適化により計算し出力する。比較実験により、入力ポーズより自然さ・安定感の向上したポーズを出力できたことを確かめた。 研究期間全体を通じて、行動・動作事例の指示によるキャラクタ動作・行動の演出、音声の抑揚のような比喩的指示による動作の演出、演出指示と身体的制約を両立させる自然な姿勢の生成についてそれぞれ研究し手法の提案と実現を行った。一方で実用上の観点からは、適用可能な動作・行動が限られる、計算負荷が多いなどの課題があるため、今後研究を続けたい。
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Research Products
(6 results)