2015 Fiscal Year Research-status Report
ベル型時間関数発生器に基づく義手軌道生成モデルの提案と筋電義手処方支援の実現
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26730111
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Research Institution | The Hyogo Institute of Assistive Technology |
Principal Investigator |
中村 豪 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (50707403)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / 筋電義手 / トレーニング / 定量評価 / リーチング運動 / 相互学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、訓練者の義手操作能力を定量評価可能なシステムの検討と日常生活を模擬したバーチャルトレーニングシステムの構築を行った。 まず、初年度に構築した訓練者のEMG制御能力を定量的に評価し、評価結果に応じて訓練の難易度を調整可能なトレーニングシステムのブラッシュアップを行った。また、初年度に実施したトレーニング実験のデータに対して詳細な解析を行い、提案するトレーニングシステムの有効性を確認した[日本ロボット学会誌]。これまでに開発したトレーニングシステムでは、EMG制御能力を定量的に評価し、評価結果に応じて訓練の難易度(操作対象とする動作および動作数)を調整することが可能である。また、訓練者が操作するバーチャルハンド(virtual hand; 以下、VH)に加えて、運動教示用の半透明のVHによって、操作指示を与えながら訓練を実施可能である。トレーニング実験では、上肢切断者を含む10名の被験者を対象とした。実験より、提案するシステムは訓練者のEMG制御能力を定量的に評価でき、訓練者の操作能力の向上に合わせて徐々に動作数を増やして難易度を調整することが可能であることを確認した。また、提案するトレーニングシステムを用いた訓練によって、識別率が向上することを確認した。 次に、日常生活を模擬したバーチャルトレーニングシステムを構築するために、VHの把持力に応じて物体が落下するまたは破壊されるなどの複雑な物理特性を導入した[日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2015]。これまで我々の研究グループが開発してきたシステムでは、把持力の大きさを考慮した訓練を実施することは困難であったが、新たに把持力に応じた物体の落下・破壊の挙動を再現することで、柔らかい物体、割れやすい物体、滑りやすい物体など様々な特性を持つ物体に対しての把持訓練を可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.EMG制御能力を定量的に評価し、評価結果(習熟度)に応じて訓練の難易度を変更可能なトレーニングシステムを構築し、論文としてとりまとめることができた点。 2.把持力に応じて物体が落下するまたは破壊されるなどの複雑な物理特性を導入することで、より日常生活を想定した訓練が行えるトレーニングシステムを構築した点。
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Strategy for Future Research Activity |
義手を用いたリーチング動作の数式モデルをトレーニングシステムへ導入し、物体へのアプローチの際の理想軌道を提示して訓練が行えるトレーニングシステムを構築する。また、構築したトレーニングシステムを用いた訓練効果を確認するためのトレーニング実験を行う。
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Causes of Carryover |
EMG制御能力の定量評価システムの構築において当初の予定よりも早く研究開発が進み、本年度は論文作成を前倒しで行ったため、当初の研究計画に変更が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に購入を予定していたリーチング運動の計測およびトレーニングシステムの構築に必要な物品の購入を行う予定である。
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