2014 Fiscal Year Research-status Report
作業者育成を支援するクラウドソーシング実現のための統計的スキル推定技術の開発
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26730115
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
馬場 雪乃 国立情報学研究所, ビッグデータ数理国際研究センター, 特任助教 (40711453)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クラウドソーシング / スキル推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の基盤となる、統計的なスキル推定手法の研究を実施した。当初計画通り英文和訳の仕事を対象にし、英文和訳において、語彙知識を利用して翻訳能力を測る新しい確率モデルを提案した。英文翻訳作業時に、英文中の各単語を知っているか否かを作業者に答えさせ、これを語彙知識として用いる。提案モデルは、作業者が高い翻訳能力を持つ場合と低い翻訳能力を持つ場合で異なる語彙知識回答モデルから構成される。このモデルを用い、語彙知識回答結果と、単語・翻訳元文章の特徴から推定した難易度を利用して翻訳能力を推定する。提案手法は、語彙能力と翻訳能力を関連づけることで、翻訳結果に対する外部評価を用いることなく語彙知識回答のみから作業者の翻訳能力を推定できる点が画期的である。提案手法が、各英文に適した翻訳者の自動的に割り当てにも有効であることを実験で示した。また、語彙能力と翻訳能力の関連づけが妥当であることをデータから示した。本研究成果は国際会議に投稿中である。
語彙知識という比較的扱いやすい情報が翻訳能力推定に有効という知見は、本研究計画の遂行上大変重要である。単語のトピックと翻訳能力の関連づけによる多様な翻訳能力表現が期待される。また、翻訳元文章中の単語を仕事の要求能力の表現に活用できると考えられる。さらに、作業者の目標能力を単語・トピック・文章等で表現させることで、現在の能力から見た目標能力達成度を推定しやすくなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、英文和訳に関するデータ・セットを構築し、翻訳能力の推定モデルを構築し、国際会議への論文投稿に至った。当初計画通り順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は計画通りスキル推定モデルの構築を実現した。これを受けて平成27年度は、仕事の要求スキルの推定手法を開発する。また、現在のスキルで十分成功可能であり、かつ仕事の実施により目標スキルの到達に近づく仕事を作業者に提示する手法を開発する。
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