2014 Fiscal Year Research-status Report
α-β多様性に基づく遺伝的プログラミングにおける探索バイアス制御手法の開発と応用
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26730133
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小野 景子 龍谷大学, 理工学部, 講師 (80550235)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝的プロウグラミング / 探索バイアス / 木の形質 / 類似度 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
設計解が木構造で表現される設計問題において,遺伝的プログラミングの汎用性の高い探索バイアスを開発することが本研究の目的である.これまでに設計解の評価値をもとにした高性能な探索バイアス手法であるALPS などが開発されているが,設計解の幾何学的特徴量を取り入れた手法は重要性は指摘されながらも困難さから開発されなかった.提案手法では設計解の幾何学的特徴量とネットワーククラスタリング手法をもとに,大域的探索を重視する外向きの探索と局所探索を重視する内向きの探索のバランスを制御し,多様性を維持する手法を提案する. ベンチマーク問題を用いて提案法の性能検証を行ったところ,設計解の評価値のみを用いた個体間の類似度に基づき設計解をクラスタリングした手法より,設計解の幾何学的特徴量を用いた手法の方が高い探索性能を示すことが分かった.この結果より,設計解の幾何学的特徴量はGPにおいて重要な要素であり,それを用いる提案法は解の探索に高い性能を示すといえる. また,本年度では設計解の幾何学的特徴量として解の大きさ(木構造の大きさ)の類似度を用いた.すべての解の類似度の計算には多くの計算コストが必要であるが,それぞれの解の類似度は並列に計算できることからGPUを用いたシステムを実装した.その結果,設計解の類似度ネットワークの構築に必要な計算時間は許容範囲の増加でとどめることができ,類似度ネットワークの構築に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の目標は,設計解の幾何学的特徴量とネットワーククラスタリング手法をもとに汎用性の高い探索バイアス手法を開発することである. これらを検討し,GPの性能評価において広く使われている連続関数同定問題を用いて,性能を検証したところ,非常に有効な探索性能を示した.これらの成果を国際会議に投稿し採択されており,平成27年度に発表する予定である. 以上のことから平成26年度の目標はすべて達成したと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においても設計解の幾何学的特徴量とネットワーククラスタリング手法をもとにしたGPにおける探索バイアス手法の更なる高性能化を目指して手法の改良を行う. 特にネットワーククラスタリング手法の改良を行う予定である. また,応用として環境が変動する実設計問題に近い問題に対する提案法の有効性を検証する.
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Causes of Carryover |
木の形質から類似度ネットワークを構築する際に必要となる計算リソースとして,GPUの技術を学び安価なGPUを採用したため,計上していた予算より低く抑えることができた.そのため使用額に余りが生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は実問題に近い対象を用いて提案法の評価を行う.その計算リソースを確保するためワークステーションを購入する予定である.
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