2014 Fiscal Year Research-status Report
軟弱地面モデルに基づくヒューマノイドロボットの歩行制御
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26730135
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小水内 俊介 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (40708004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒューマノイドロボット / 軟弱地面 / 二足歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,二足歩行ロボットが砂のような軟弱地面上で転倒することなく歩行を継続するための歩行安定化技術を開発する.この技術開発を安全かつ効率的に実施するために,まずは軟弱地面における二足歩行を取り扱うことができる動力学シミュレータを構築する.平成26年度は以下の2点について研究を推進した. ①軟弱地面の動的変形挙動を表す力学モデルの構築:軟弱地面を非線形特性のあるばね-ダンパ系としてモデル化することで,動的な力学的挙動を表現できる数理モデルの構築を試みた.ばねおよびダンパの要素数や配置,線形/非線形特性が異なるいくつかのモデルを検討した.これらのモデルは,機械と土壌の静的な相互作用を取り扱う従来のテラメカニクス・モデルとは異なり,モデル単独で軟弱地面における地盤変形と地盤支持力の動的挙動を表現することができる. ②地盤特性値の同定:①で検討した数理モデルのパラメータを同定するため,本研究課題が想定している等身大ヒューマノイドロボット自体と,その足を模擬した載荷試験装置とによって,衝撃載荷試験を行った.ロボットの足あるいは試験平板にはマーカを取り付け,光学式モーションキャプチャシステムによりその沈下挙動を記録する.これにより,足の衝撃的な着地から全体重が載る片足支持期までの沈下量の過渡応答を得る.この実験データに対して数理モデルの出力の追従性が最大になるように,モデルパラメータを設計変数として最適化計算を行うことで,所望の地盤特性値を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の課題であった「①軟弱地面の動的変形挙動を表す力学モデルの構築」と「②地盤特性値の同定」によって構築された動的沈下モデルを既存の動力学シミュレータに統合し,軟弱地面における二足歩行シミュレーションを実施可能とした.さらに,翌年度の課題である「③軟弱地面における歩行安定化戦略および制御系の構築」に関して議論を進めており,全体的な達成度はおおむね順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
「②地盤特性値の同定」やその他の試行において,等身大ヒューマノイドロボットを砂上で運用するにあたり,高頻度の転倒による機体への過負荷や補助員の安全性,計測データの質への影響など,今後の実験機会の増加に対して懸念が残る.そこで,小型ヒューマノイドロボットによる軟弱材料上の歩行を対象として制御技術の開発を行う.基本方針は当初の計画通り,内界センサによる「③足の沈下量および滑り量のオンライン推定法の開発」と「④軟弱地面における歩行安定化戦略および制御系の構築」を行い,最終的に,「⑤人間サイズのヒューマノイドロボットによる軟弱地面歩行実験」を行う.
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Causes of Carryover |
当該年度に構築予定だった多機能計測装置は,次年度も等身大ヒューマノイドロボットに装着して利用する予定であったが,等身大ヒューマノイドロボットの運用以前に小型ヒューマノイドロボットの必要性が浮上したため,当該年度は本装置関連予算を不使用とした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小型ヒューマノイドロボットとその懸架機構および代替軟弱材料を購入する.
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Research Products
(1 results)