2015 Fiscal Year Annual Research Report
実環境におけるロボットの振る舞いによるDouble-Contingencyの解決
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26730142
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
林 宏太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80728345)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
実環境におけるロボットの振る舞いによるDouble-Contingencyの解決に向けて,ロボットシステムを用いた街中におけるフィールド実験と,人同士でどのように解決しようとするのかに関しての被験者実験を行った.結果として,Double-Contingencyを解決するには二つの方向からのアプローチが存在することがわかった.一つはロボットの方からインタラクションの意思があるかないかを示すアプローチである.人同士ではインタラクションの意思がない場合,視線をそらす.意思がある場合は合わせ続ける.視線を合わせているだけではそれ以上の意図を伝えることが出来ないため,再びDouble-Contingencyが発生する.この段階で言葉による意思疎通を試みる人が見られた.非言語的に意思疎通を試みる場合,人同士では笑顔や困っているという表情変化を起こす.その際に重要なのが必ずしも正確に表情を作ることではなく,「表情が変わった」事を示すことであり,ロボットではまぶたを閉じる,眼球による注視先を変えず首を動かす「探っているような動き」という簡単な変化でDouble-Contingencyを解決できるという仮説を得た.つまり,本研究においては検証の実施までにいたらなかったが,視線を向ける,外すという行動で,簡易的な表情変化を可能にすることでロボットがDouble-Contingencyを解決する事ができるということがわかった.もう一つは,人の視線方向を観測することである.人同士では起きたDouble-Contingencyを解決する場合,上述の通り多くの人が自分にインタラクションの意思が存在する場合は対象となる人に対して視線を向け,意思がない場合視線をそらす.これを観測することによって,人のインタラクションをする意思を観測することができることがわかった.この観測は,Double-Contingencyがおおよそholeの社会的距離(1.2~3.6m)の範囲内で起きるため,ロボット自身のカメラによって視線向きを計測する事ができる.
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