2014 Fiscal Year Research-status Report
網膜視機能他覚的モニタリングに向けた網膜電位図の時空間応答特性の解析
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26730149
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| Research Institution | Toyohashi University of Technology |
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Principal Investigator |
針本 哲宏 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 特任助教 (40387626)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 網膜電位図 / ERG / 多局所網膜電位図 / mfERG / 硬骨魚類 / 電気生理 / 時空間分布 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
将来、iPS細胞由来の網膜視細胞や網膜組織の移植によって、組織の再生だけでなく視機能に必要な固有の神経結合が正しく再構築され、色変換などの色覚機能が正常に再生されるかは未知である。本研究はiPS細胞移植による色覚機能再生過程を検証するための視機能の他覚的モニタリング法の開発を目指しており、まずは動物やヒトの網膜における色覚機能を理解・解釈するための基礎研究を実施する。
臨床的には多局所網膜電位図（mfERG)により、非侵襲に局所網膜光応答の空間分布が導出され、視野異常の診断に用いられている。より詳細な網膜視機能を解析するため、本年度は色覚を有し、眼球を摘出して実験できるコイの網膜から、各種網膜細胞の光応答電位の総和（集合電位）である網膜電位図（ERG）を記録するための実験系を構築し、コイ眼盃標本における多局所網膜電位図の空間分布を明らかにした。本研究により、より詳細な局所光応答の空間分布を魚類網膜から記録することができるようになり、コイ網膜特有の光応答の時空間分布が初めて明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに半導体・MEMS技術を用いた刺入型神経電極アレイを用いて、コイ網膜光応答の多チャンネル計測実験を進める一方で、臨床眼科で主に用いられている多局所網膜電位図（mfERG)システムを実験系に組み込んだ。本研究により、コイ網膜光応答の時空間分布を多局所網膜電位図（mfERG）を用いて取得することができ、当初目標を概ね達成できた。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の成果を発展させ、色光刺激・色背景光を用いた色光下のコイ多局所網膜電位図を取得し、コイ網膜色覚機能の色空間特性を明らかにする。上記の実験結果を基に、電気生理チームと連携して、コイ網膜外網状層の色変換機構に関する数理モデルを構築し、コイ多局所網膜電位図をイオン電流応答レベルで理解・解釈する。
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| Causes of Carryover |
実験が効率良く進んだ結果、消耗品の支出が減り、また当初、研究発表計画していた国際会議（国内）に運営スタッフとして参加することになり、国際会議主催者側負担となったため、旅費の支出が予定より少額となった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の研究によって、今まで未知であったコイ特有の網膜光応答分布が明らかになった。より詳細な色覚機能の解析のため、電気生理実験（細胞内計測）も並列して可能な実験システムへと拡張する。そのための光学系および観察・撮影システム構築に必要な物品を購入する外、実験に関連する消耗品を購入する。また研究成果発表・学会発表での討議に重点をおき、国内外の学会に積極的に発表し、オープンアクセス論文への投稿を検討する。
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