2014 Fiscal Year Research-status Report
社会ネットワーク分析とシミュレーションによる友人生成プロセスに関する実践的研究
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26730154
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武藤 敦子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90378240)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会ネットワーク分析 / 友人生成 / コミュニティ分割 / クラスタ性 / モジュラリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
学生のコミュニケーション行動およびクラスのネットワーク構造特徴を調査・分析した。 方法として、過去の学生の出席管理システムより得た友人ネットワークの推移を観察し、講義アンケート結果等の情報と比較した。実際にグループ活動を行う本学の講義が存在するため、そこで得られた過去のアンケートデータと講義前後の友人関係の変移を調査することで、グループ活動が友人形成とクラスのネットワーク構造に与える影響を分析した。
同時並行して、ネットワーク構造特徴によるグループ分割手法の検討を行った。本学の実際のクラスの特徴的なネットワークとして、次数が0の学生(孤立学生)もいれば、高次数の学生も一部存在することが改めて明らかとなった。このような構造を持つクラスには、次数の差を考慮したグループ分割が効果的ではないかと推測し、適用するクラスによって適するグループ分割手法を検討した。一般的なコミュニティ分割では、ネットワークにおいて互いにリンクする辺が密である頂点の組み合わせをコミュニティとして抽出する。反対に、本グループ分割手法では辺が疎であるグループを見つけ出す作業を行うことで、一般的なコミュニティ分割とは反対の意味をなすグループ分割を実現した。
他には、1)友人でない学生を多く含む、2)友人になりやすい要素を持つ学生が多く含む、3)孤立学生を減らすため、の3つの目標にそれぞれ特化したグループ分割手法を、適用するネットワーク構造に応じて提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一目標である、「ネットワーク構造特徴に沿った適切なグループ分割手法」を実現するために、出欠データからの過去の膨大な友人ネットワークの分析が順調に遂行できたため。 また、データ分析により、適用するネットワーク構造に適した友人形成において有利に働くと予想されるグループ分割手法を実現できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成26年度に提案したネットワーク構造に沿ったグループ分割手法を実際の講義におけるグループ分けに利用する。 グループ分割を行う際の事前の友人情報は、本学出欠管理システムより入手したデータをもとに作成した友人ネットワークを用いる。しかし、出欠管理システムからの友人データの精度には課題があるため、今後、アンケートデータ等も併用しながらより正確な友人データ取得についても検討したい。 また、ネットワークシミュレーションを友人データと照らし合わせながら構築する。 シミュレーション評価では、実際の学生データを入力し、その挙動を確認することでシミュレータの精度を評価し、その後、ネットワーク構造に基づいたグループ分割の効果を探るためのツールとして活用する。
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