2014 Fiscal Year Research-status Report
エネルギ消費モデルを用いたサービス生産システムの生産性向上と価値創出に関する研究
Project/Area Number |
26730159
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
野中 朋美 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60644812)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サービス工学 / スケジューリング / エネルギシミュレーション / サービス生産システム / 生産性 / 価値 / 持続可能な生産 / ピークマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,サービスの生産性をエネルギ消費の観点から捉え,単位エネルギ消費あたりに生産する価値最大化問題と定義する.サービス提供者および設備の仕事単位のエネルギ消費パターンをエネルギブロックとしてモデル化し,それらの組み合わせを考慮したエネルギ最適化モデルを構築する.特性解析により価値・生産性・消費エネルギの関係を明らかにし,ある条件下におけるエネルギ生産性目標値を導く.価値を下げずに生産性を向上し(短期的改善),生産性を下げずに付加価値を創出する(中長期的改善)のためのエネルギ管理手法を提案する.さらに環境変動に柔軟な生産システムについて,計算機シミュレーションを用いた構成論的アプローチによって明らかにすることを目指す. 本年度は,サービス生産における価値とエネルギ消費のモデル化およびエネルギ最適化モデルの構築を行った.比較的規模の小さな生産プロセスを対象に計算機実験を行い,提案手法の基礎的な特性評価を行った.
1. サービス生産におけるエネルギ消費モデルの構築:設備やサービス提供者ごとに異なる仕事単位のエネルギ消費傾向をエネルギブロックとしてモデル化するエネルギ消費モデルを構築した. 2. サービス生産における価値モデルの構築:一例として,レストランサービスを対象に,各担当ポジションにおけるサービス生産プロセスを分析し,サービス生産におけるサービス価値と従業員満足および顧客満足度構造のモデルを構築し,アンケート調査から得られたデータによりモデルの有効性を検証した. 3. エネルギ最適化モデルの構築と検証:サービス提供者や設備のエネルギ消費傾向の違いと仕事開始タイミングを組み合わせるエネルギブロックモデルを用いた環境配慮型スケジューリングモデルを構築し,小規模な計算機実験により有効性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であったエネルギ消費モデル,価値モデルおよびエネルギ最適化モデルの構築を予定通りに終えている.さらに価値モデルに関しては,研究計画に従業員満足度と顧客満足度の観点を加え,サービス現場でのアンケートデータによるモデルの検証を行った.これは予定には含まれていなかった拡張である.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である本年度は,サービス現場での実データ収集および実データを用いたモデルの検証に重点を置く.需要変動や環境変動の大きなサービス現場でのデータ収集および検証は,サービス生産システムのみならず,従来研究されてきた製造フロアを対象としたエネルギ管理手法の構築への知見も多く得られることが期待できる.研究代表者は,すでに研究協力者らとデータ収集に向けた準備を進めており順調に進んでいる. 加えて,前年度構築したモデルの規模を拡張し計算機実験による検証を行う.
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