2014 Fiscal Year Research-status Report
修辞・物語構造のデータベース化による人文テキストの計量的分析基盤の構築
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26730168
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村井 源 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (70452018)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 修辞 / 物語 / ショートショート / 聖書 / データベース / 計量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)物語構造の記述方法の構築 物語構造の記述において古典的なプロップとグレイマスの分析手法に基づき,かつ物語における面白さ中でも「オチ」の抽出を目的とした物語構造の記述方式について検討した。検討の結果,物語を時間・場所・登場人物(ロボット等も含む)の変化でシーンに区切り,各シーンでの登場人物の言動をカテゴリー化して記述することを提案した.また,言動のカテゴリー化と記述においては,領域・人称・極性・動機・結果を属性として付与し,それぞれをカテゴリー化することで類似の言動や逆転する言動をプログラムで自動抽出可能とすることを提案した.提案した記述方法を星新一のショートショート作品のうちで宇宙物・薬物・悪魔物のジャンルに適用し,実際に物語構造の記述が可能であることを確認した.また,「オチ」の構造の自動分析に向けて,人手で記述された物語構造の記号をJavaで分析するプログラムの試作版を作成した. 2)修辞構造の分析 新約聖書・旧約聖書中に多数出現する段落・文・節などのより小さいレベルでの修辞構造についての分析を進め,旧約聖書39巻における約1100の修辞構造を分析した.修辞構造を構成する単位となる個所の情報,対応するペアとなる個所の情報,対応するペアに共通する要素,およびヘブライ語原文で対応する単語のデータをデータベースに登録した.また分析の結果をWebページ上に公開した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究期間の後半で行う予定であった物語構造の自動分析プログラムの開発にすでに着手できている.また聖書における段落・文・節などのより小さいレベルでの修辞構造の分析が当初の予定よりも早く進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きショートショートを題材とした物語構造の分析を行うとともに物語構造から「オチ」を自動的に抽出するためのプログラムの開発を進めていく.また,修辞構造を記述するのに適切なデータと記述方式について検討を行い,フォーマットを提案し,データの公開に向けて準備を進める.
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Causes of Carryover |
申請額よりも交付決定額が少なかったため、分析およびデータベース用コンピュータの購入予定を次年度以降に遅らせたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分析およびデータベース用コンピュータの購入を予定。
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Research Products
(6 results)