2015 Fiscal Year Research-status Report
修辞・物語構造のデータベース化による人文テキストの計量的分析基盤の構築
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26730168
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村井 源 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (70452018)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 修辞構造 / 物語構造 / 聖書 / ショートショート |
Outline of Annual Research Achievements |
1)物語構造の自動分析に向けて 物語構造のデータを大規模に取得するため,物語テキストから自動的に物語構造を抽出するプログラムを実現するために必要なモジュールの検討を行い,登場人物とその言動の単位で場面ごとに物語構造を記述するプログラムのプロトタイプの開発に着手した.また,自動的な物語抽出のモジュールを構築する上で必要となる動作的な表現の分類表と辞書,および主体的な語彙の分類と辞書のプロトタイプの作成を行った.動作的な表現の辞書には,動詞の単語レベルでの意味的な分類に合わせて,慣用句的なフレーズ単位での言動の表現と会話文などに頻出する語用論的な遂行機能を表現する慣用的表現を合わせてデータベース化を行った.
2)修辞構造の分析 新約聖書・旧約聖書中に多数出現する段落・文・節などのより小さいレベルでの修辞構造について物語の小単位であるpericope区分への分割の妥当性を確認するため,New Revised Standard Version, New Jerusalem Bible, New International Version, New King James Versionとの分割箇所の一致度を比較した.結果として提案仮説は他の有力な聖書翻訳におけるpericope区分とほぼ一致しており,不一致でユニークなpericopeの頻度も他の有力な聖書翻訳と同程度であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の後半で行う予定であった物語構造の自動分析プログラムの開発が予定よりも早く進展している.また聖書における修辞構造の分析も予定したものはほぼ完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きショートショートを題材として物語構造の分析を行うために、物語構造の自動分析プログラムの完成に向けて必要となるモジュールの開発を進めていく。
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Causes of Carryover |
開発用機材の購入を延期したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定していた開発用機材の購入かあるいはデータ作成のための人件費に用いるか優先度の高い方を検討する
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Research Products
(5 results)