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2014 Fiscal Year Research-status Report

冷温帯・亜寒帯林における菌核の形成・蓄積と微生物風化

Research Project

Project/Area Number 26740003
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

坂上 伸生  茨城大学, 農学部, 助教 (00564709)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords森林土壌 / 菌核 / 外生菌根菌 / 微生物風化 / 土壌生成
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,冷温帯~亜寒帯林のアロフェン質/非アロフェン質黒ボク土およびポドゾル性土が分布する地域における土壌生成条件の異なる複数地点で土壌断面調査を行い,菌核の空間分布特性から,菌核形成を規定する環境因子を明らかにする。そして,微生物群に各種土壌からの無機元素の溶出の程度を測定して土壌風化ポテンシャルを評価し,菌核分布との関係性を検討し,土壌-微生物-植物間の相互作用を考察することを目指している。
平成26年度は,秋田県仙北市のブナ林表層土壌における菌核の分布と土壌分析,微生物風化特性の把握を試行した。過去に実施した調査で得た植生や微地形の情報と表土試料を活用しながら,微生物による風化作用に着目して一次鉱物の観察をおこなった。既往研究では,糸状菌活動の影響を受けた可能性のある孔の計数には,無機栄養元素に富む長石を観察対象とする場合が多い。しかしながら,調査対象地域の土壌には火山ガラスが多く含まれており,長石との区別が困難な場合があるため,観察には輝石を用いた。2つの調査区で72点の表層土壌を採取し,そのうち17点について20個の輝石を観察した結果,孔数と土壌pH,腐植複合体アルミニウム含量などとの間に,明瞭な関係性は見いだせなかった。しかしながら,流水による影響が強い少数地点においては,pHが低い地点で孔数が大きくなっているなど,土壌性状と鉱物風化の関連を示唆するデータも得ることができた。今後,観察点数を増やすとともに,観察方法を工夫していく必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成26年度はブナ林表層土壌における微生物風化特性の把握を試行に留まっている。今後,菌核の空間分布特性の把握による菌核形成に関わる環境因子の検討,土壌-微生物混合培養系を用いた微生物風化の評価を進め,土壌生成作用における糸状菌活動の寄与に迫っていく必要がある。

Strategy for Future Research Activity

秋田県仙北市のブナ林表層土壌における菌核の分布を規定する環境因子について,検討を継続していく。また,鉱物風化だけでなく,元素組成(塩類およびケイ素・鉄・アルミニウム)から風化インデックスを算出し,土壌-微生物間の相互作用を考察していく。さらに,冷温帯~亜寒帯林の複数地点で採取した土壌を用いて,優占する微生物群による土壌風化に対する影響を評価する。採取した土壌から抽出した微生物を性状の異なる土壌と共培養し,無機元素の溶出の程度を測定し,風化ポテンシャルと菌核分布との関係性を検討していく。

Causes of Carryover

平成26年度はブナ林表層土壌における微生物風化特性の把握を試行に留まっており,計画していた国内現地調査の実施に至らなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度は土壌の一般理化学性分析に関わる経費のほか,冷温帯~亜寒帯林の複数地点で土壌を採取する現地調査を実施する。また,微生物風化と菌核分布の関係について,土壌有機物を扱う国際学会において予報的に発表する予定である。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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