2014 Fiscal Year Research-status Report
遺伝学とプロテオーム解析を組み合わせたDNA損傷応答の新規制御機構の解明
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26740018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹沼 博之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00531691)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNA損傷 / プロテオーム / 遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の実施計画の通り、リン酸化ペプチドの濃縮法の最適化条件確立を行った。またニワトリDT40細胞を用いてDNA損傷に応答したBRCA1蛋白質のリン酸化サイトを約30程度同定に成功した。また3FLAGエピトープタグをゲノムにノックインした細胞を樹立して、BRCA1蛋白質と相互作用する因子を調べたところ、Rad51, BRCA2といったDNA損傷修復因子のみならず、転写や染色体分配に関わる因子も同定できた。その中にいくつかの新規因子も含まれていることから、現在解析を始めたところである。次年度ではBRCA1蛋白質の新規相互作用因子の解析とリン酸化の意義についての解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン酸化ペプチドの濃縮法の最適化条件確立に関しては、毎回安定した質量分析結果取得できないという点でさらに検討を要する。一方でDNA損傷応答において重要なハブ因子であるBRCA1を中心に据えて、リン酸化サイトの同定と相互作用因子の同定ができたことは十分な成果と考える。この実験は、組換え活性が高いDT40細胞を使用するメリットを使い、ゲノム上のBRCA1遺伝子座のATGエキソンに3FLAG配列をノックインして行っている。そのため非常に再現のよい結果が得られている。TALENやCRISPRといったゲノム改変技術を利用してヒト細胞を用いた遺伝子破壊、ノックインを行っており、すでにDT40細胞と同じ3FLAG配列をノックインしたヒト細胞も樹立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
HUアフィディコリンといったDNA複製停止がBRCA1相互作用因子にどう影響を与えるか、リン酸化状態をどう変化させるかを調べて行く。また引き続きBRCA1相互作用因子として同定した新規因子の機能解析にも着手する。またリン酸化ペプチドの濃縮法に関しては医薬基盤研の朝長博士との共同研究で技術取得、開発を行い、オランダ・エラスムス大学との共同研究を推進していく。さらにTALENやCRISPRといったゲノム改変技術を利用してニワトリDT40、B細胞と同様の手法で、ヒトB細胞のBRCA1相互作用因子、リン酸化サイトの同定を行う。
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Causes of Carryover |
端数のため、次年度分と併せて使用することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
オリゴの購入に使用予定。
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