2015 Fiscal Year Annual Research Report
循環資材等の環境安全性評価に資するみず道の影響を考慮した物質動態解析モデルの開発
Project/Area Number |
26740036
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石森 洋行 立命館大学, 理工学部, 任期制講師 (20434722)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 溶出 / バッチ溶出試験 / カラム溶出試験 / みず道 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度研究では焼却灰やスラグ等の間隙中に発生するみず道を定量評価するために、間隙構造を可視化するためのX線CT分析と間隙中の流体移動を調べるためのFEM流体解析を行った。その結果、銅スラグを充填したカラムの場合全間隙率は37.8%に対して、その中に発生するみず道(有効間隙率)は25.2%であることが明らかにでき、みず道を定量評価可能な新しいツールを構築した。 本年度研究では、みず道の発生が化学物質の溶出量に及ぼす影響を調べるために、試料粒度の異なる製鋼スラグと廃棄コンクリートを用いて、バッチ溶出試験とカラム溶出試験を実施した。バッチ溶出試験では、純水に試料を浸漬させた条件で行われるもので、試料の全表面積が水と接することから単位試料量からの化学物質溶出量のポテンシャルを求めた。一方でカラム溶出試験では、土木工事において試料を道路材や盛土材、裏込材等として利用した場合をみたて、円筒形の容器に試料を入れ、そこに降雨を模した水を通水させることで浸出水に含まれる化学物質溶出量を測定した。カラム溶出試験から得られる溶出量には試料中にみず道が発生すれば溶出に寄与する表面積が少なり溶出量は少なくなる。そのため、バッチ溶出試験とカラム溶出試験からの溶出量の差をみず道の影響として捉えることができる。その実験結果、試料粒径が大きいほどみず道の発生に伴う溶出抑制効果は大きく、廃棄コンクリート100 mm角ではバッチ溶出試験で得られた溶出量よりも、カラム試験で得られる溶出量の方が約1/9倍となりみず道に伴う溶出量の低減が認められた。
|