2014 Fiscal Year Research-status Report
自動車内装材に含まれる難燃剤成分の車内挙動及び循環時リスクの評価
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26740044
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
小瀬 知洋 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 准教授 (60379823)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 難燃剤 / 自動車 / 有機リン系難燃剤 / ダスト / ASR |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅰ. 自動車内装材におけるPFRsの使用実態に関して、自動車内装材及び車内ダストの採取を実施し、内装部材のXRF分析および各種難燃剤の定量分析を行った。この結果、有機臭素系難燃剤および有機リン系難燃剤の含有傾向が明らかとなり、リン系では特に含塩素有機リン系難燃剤が主体であることが確認された。加えて含塩素縮合リン酸エステル類難燃剤であるDEG-BDCIPPが複数の部材から%オーダーで含有されており、難燃化目的での使用が明らかとなった。 Ⅱ. 自動車内におけるPFRsの車内ダストへの移行実態に間して、Ⅰで採取したダスト中からいくつかの難燃剤の含有が確認された。特に含塩素リン酸トリエステル類においては内装部材中濃度とダスト中濃度に相関が見られ、内装部材からダストへの移行が確認された。一方でDEG-BDCIPPにおいては内装部材中の濃度が高かったにもかかわらず、ダスト中濃度に相関は見られず、移行は起こっていないと考えられ、ダストへの移行経路として揮発経路が疑われた。 Ⅲ.ASRリサイクル工程を想定したCPE難燃剤の分解と低分子量の高放出性、高毒性成分の挙動に関して、PBDPPおよびBPA-BDPPといったいくつかの縮合リン酸エステル類難燃剤の加水分解が確認され、有害性の高いフェノール類化合物の生成が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の30台以上の車両からの試料採取という当初目的に対して、それに倍する60台以上の車両からの採取を行うことができ、かつそのうちの32台分について予定検討対象物質の測定を実施した。このため次年度以降、予定よりも多く採取を行うことの出来た試料に含まれる製造年度の新しい車両を軸に検討を進めることで、最新の難燃剤の使用実態の解明を進めうることが期待できる。 加えて当初予定していなかった臭素含有量のXRF分析に関しても、共同で実施している国立環境研のグループから機材貸与を受けることで実施することができ、臭素系とリン系の難燃剤の複合的な使用状況について検討するために必要なデータを得ることができた。来年度以降これらの結果を詳細に精査し、且つ当初は予定していなかった臭素系難燃剤の分析を行うことで臭素系とリン系の難燃剤の相互の使用傾向を明らかにすることが期待できる。 上記2点の当初計画以上の進展を踏まえて上記の自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ. 自動車内装材におけるPFRsの使用実態に関して、H26年度の当初予定以上の試料の採取を完了したため、H27年度はこの試料の分析を順次進めることと、その結果を踏まえてさらなる追加試料採取の是非を検討する方向で検討を行う。加えて臭素系難燃剤、特にPBDE、HBCDの代替の新しい臭素形難燃剤の含有傾向を明らかにすることを新たな研究の軸として加え、国立環境研との連携による推進を試みる。 Ⅱ. 自動車内におけるPFRsの車内ダストへの移行実態に間して、H26年度にダストへの移行が明らかとなった一部含塩素有機リン系難燃剤について、モデル実験による以降経路の検討を試みる。 Ⅲ.ASRリサイクル工程を想定したCPE難燃剤の分解と低分子量の高放出性、高毒性成分の挙動に関して、生成が確認された分解生成物の実車両における部材およびダスト試料における含有傾向の検討を試み、実際の車内環境におけるリスクの評価を試みる。
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Causes of Carryover |
当初計画でH26年度に予定していた自動車内装部材及び車内ダストの採取を国立環境研究所と共同で行うことが可能となり、かつ採取した試料の分析前処理(凍結粉砕及び溶媒抽出)に関しても強度での実施を行うことができた。 このため当初予定していた試料採取及び試料分析前処理に要する消耗品など諸経費を大幅に圧縮することが可能となり、資金面で非常に効率的に検討を進めることが可能となった。 なお、前述したように実際に採取した試料数および分析試料数は当初予定を大幅に上回っており、H26年度及び今後の研究遂行上もなんら問題は無い。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回発生した余剰次年度使用額(約75万円)は、主として以下の2つの使途に使用する予定である。 Ⅰ.自動車内装材における使用実態に関して、特にRoHS指令やELV指令による一部臭素系難燃剤規制後の新しい年代の車両において、その代替実態をより精密に把握するためにリン系難燃剤のみならず次世代の有機臭素系難燃剤に関して検索分析を行う。またこれらの定量分析を行うために必要不可欠な標準試薬の入手に40万円程度充当する。 Ⅱ. 自動車内におけるPFRsの車内ダストへの移行実態に関して、マイクロチャンバーを使用したモデル実験を行い、自動車内装部材から車内ダストへの難燃剤成分の移行経路を明らかにするために必要な各種消耗品の入手に35万円程度を充当する。
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Research Products
(6 results)