2015 Fiscal Year Research-status Report
有機物由来培養液を用いた養液栽培の実用化に関する研究
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26740051
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
霧村 雅昭 宮崎大学, 農学部, 助教 (40433065)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 有機物由来 / 培養液 / 成分組成 / 水耕栽培 / コマツナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では今後需要の拡大が見込まれる一方,栽培方法が確立されていない有機物由来液肥を用いた養液栽培について行う.特に培養液の成分組成の調整方法やpH管理方法など,培養液管理に関する基本的な問題を解決することで,未利用資源を有効活用した持続可能な養液栽培の実用化に取り組む. 昨年に続き,有機物由来培養液の原料となるバイオガスプラント由来消化液などを収集した.また栽培中の培養液を定期的にサンプリングし,培養液組成の変化や養分吸収量を調査した.pHやECは電極法で,アンモニア態窒素および硝酸態窒素はオートアナライザーを用いた比色分析で,その他の無機成分は誘導結合プラズマ発光分析法で分析した.培養液のpHや組成の変化に影響を及ぼすと推測している培養液中の菌の活性についてはATP量から推定した. 栽培に用いる有機物由来培養液は,既存の培養液処方の組成となるように,有機物由来の原料と化成肥料を混合して作成した.まず,有機物由来の培養液原料の成分組成を分析し,次に不足する成分量を化成肥料で補うために必要な肥料の種類と量を算出し,有機物由来原料と化成肥料を混合して調製した. 有機物由来培養液と化成肥料のみで調製した培養液を用いてコマツナを水耕で栽培したところ,有機物由来培養液の区では生体重が若干小さかったが,収穫物中のアスコルビン酸含量は多かった.有機物由来培養液を用いることで化成肥料の使用量を削減できることから,肥料コストの削減が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者が年度途中まで米国へ出張していたため,一部の実験が実施できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
申請者が年度途中まで米国へ出張していたため,一部の実験が実施できなかった. 今後の実験を担当する学生も決まっており,協力して研究を推進する. 培養液のpHや組成の変化に影響を及ぼすと推測している培養液中の菌の活性についてはATP量から推定する.さらに培養液中の炭素量を分析することで培養液のpHや組成変化,菌の活性の関係性を明らかにし,培養液の安定的な利用方法について検討する. 実験の準備はほぼ出来ており,特に問題はない.
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Causes of Carryover |
申請者が年度途中まで米国へ出張していたため,一部の実験が実施できなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでに取り組んだ実験は短期的であったため,試験的に共通利用施設などを利用したが,次年度度は当初の予定通りの機器を購入し,長期的・高頻度に実験を実施する.
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