2014 Fiscal Year Research-status Report
粗放的な屋上緑化の緑化技術、環境改善効果および心理評価に関する研究
Project/Area Number |
26750001
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
永瀬 彩子 東京都市大学, 都市生活学部, 准教授 (80544535)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 粗放的な屋上緑化 / 生物多様性 / 自生種 / 心理評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.粗放的な屋上緑化の植生変化および生物多様性創出効果:コンクリートや瓦の廃材を利用した粗放的な屋上緑化を施工し、近隣の植生を利用した区と購入した自生種の区を設置し、生息可能な植物の評価および生物多様性の創出の調査を月1回行った。瓦を使用したほうが植物の生存率は高かったが、購入した苗では、潅水なしでは、ほとんどの種の生存は困難であった。近隣の植生を利用した区では、時期によって動的変化があるものの自生種が多く生存し、昆虫も常に見られたとことから、エコロジカルネットワークを創出することが可能であることが示唆された。
2. 画像を使用した印象調査:粗放的な屋上緑化の画像19枚を使用して、20代から60代の男女135名に対し、形容詞対を利用して評価を行った。魅力を構成する要因は世代によって異なり、さらに、自然との触れ合い経験があるグループではないグループと異なり親しみを感じることが粗放的屋上緑化景観の魅力を評価する重要な要因となっていることが示された。
3.施工プロセスへの参加がもたらす心理評価:20歳前後の男女13名に対し、条件として、保水、排水の機能や装飾にリサイクル素材を使うこと、近隣に自生する植物を取り入れることを条件に、デザインから施工までを行う粗放的な屋上緑化のワークショップを行った。ワークショップ参加後、86%の参加者が緑空間を見る視点において変化があったと回答し、「緑化デザインだけでなく、施工や管理方法にも注目するようになった」等、より植物に興味を持つ意見が見られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
屋上緑化の防水層工事のため、平成27年度に予定していた実験を平成26年度に行ったものの、計画通り順調に行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度のリサイクル材の利用と植物の生長および生物多様性の創出効果を引き続き調査を行い、平成26年度に予定されていたものの行うことができなかったヒートアイランド緩和効果を計測する予定である。
|
Causes of Carryover |
実験が予定されていた場所が、防水工事が行われることになり、平成26年度実施予定の研究を行うことができず、平成27年度予定の研究を先に行った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、より大きな粗放的な屋上緑化を導入し、平成26年度実施予定の研究を中心に①排水層のリサイクル材の違いが植物の生長に及ぼす影響②植物の違いがヒートアイランド緩和に及ぼす影響等を調査する予定である。
|