2014 Fiscal Year Research-status Report
デジタルカメラを用いたLED照明の照度簡易計測手法の検討
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26750006
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
三栖 貴行 神奈川工科大学, 創造工学部, 准教授 (80570572)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 照度 / デジタルカメラ / ヒストグラム(輝度) |
Outline of Annual Research Achievements |
デジタルカメラ画像による照度測定を目的とし、現在は以下のような結果が得られている。 1) 照度実験室の作製(測定対象の机上面を決定,デジタルカメラ撮影,照度計での測定を行う暗室) 2) デジタルカメラで撮影された画像のヒストグラム(輝度)による輝度情報の獲得 3) デジタル画像輝度情報と照度計で得られた測定照度との比較検討 以上の結果から、デジタルカメラ画像により測定面の照度を間接的に測定する手法は確立の可能性があると判断された。照度測定の対象となる面が均等拡散面(均一に光が拡散する面)で、デジタルカメラで撮影されたデジタルカメラ画像の総輝度値(以下、デジタル画像輝度)と照度計で計測された照度値(以下、照度)は高い相関が得られた。従来の照明理論にある均等拡散面と照度の関係式を用いることで照度値算出が可能と考えられる。実験に使用した机は異なる4色(ホワイト、ライトブラウン、ダークブラウン、ブラック)を用い、デジタル画像輝度と照度値の相関に差が生じた。特に色として輝度が最も低いブラックは相関係数が低くなった。白色机では高い相関係数が得られたため、本実験条件を使用することにより照度算出は可能と考えられる。しかしながら、本研究は測定環境に関わらず、デジタルカメラを用いて照度を測定できるようにしたいと考えている。今後はデジタル画像の解析方法や、机上に様々な形状・材質のものを設置し、反射率・透過率等を簡易的に取得できる方法を模索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デジタルカメラ画像による照度測定を目的とし、現在までの成果は以下のようにまとめられる。 (1)照度実験室の作製(測定対象の机上面を決定,デジタルカメラ撮影,照度計での測定を行う暗室) (2)デジタルカメラで撮影された画像のヒストグラム(輝度)による輝度情報の獲得 (3)デジタル画像輝度情報と照度計で得られた測定照度から高い相関係数を獲得 (1)の照度実験室はデジタルカメラが机上面の中心部を撮影できるのと同時に、机上面に蛍光マーカーを用いてマーキングを行い4点照度法を用いた照度測定が精度良く行えるようにした。測定対象の机上面は明度の高い色の机上面(ホワイト、ライトブラウン)と明度の低い色の机上面(ダークブラウン、ブラック)に分けた。(2)のデジタルカメラで撮影された画像の輝度情報のヒストグラムはPhotoshopを用いて算出した。照度計による机上面照度測定を行った部分のみを、撮影画像から切り出し、グレースケール画像に変換後、輝度情報を得た。この輝度情報の積算値を照度値との相関に用いた。(2)の結果から(3)のようにデジタルカメラ画像の輝度情報と机上面照度は高い相関を持つことがわかった。この結果はデジタルカメラによる照度測定の可能性を見出すきっかけになった。色度情報は現在の実験成果に含まれていないが、照度の相関結果を考慮すれば、RGB輝度情報のヒストグラムを用いることで予測可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に得られた成果は机上面が均等拡散面であるため、高い相関係数が得られている。現状の方法でデジタルカメラ画像から照度を得るためには、均等拡散面の机上は不可欠と考えている。しかしながら、本研究の最終目標は条件にとらわれず、測定面を撮影するだけで照度が得られることである。最終目標を考慮し、今後の研究は以下のように進めていく。 (1)平成26年度で最も高い相関係数が得られた机上面の反射係数(拡散係数)を計測し、デジタル画像輝度情報と机上面照度情報の関係性(均等拡散面における照度と輝度の関係式)を見出すこと (2)(1)と同条件でフルカラーLED電球(フィリップス社製"hue")を使用した色度変更時のデジタルカメラ画像の輝度情報と机上面照度の相関を計測すること (3)(2)の条件下で均等拡散面ではない物体を机上に置き、(1)で見出した関係性が適用可能か判断し、測定精度を上げる方法を模索 以上の(3)の後は、オフィス環境で一般的に使用されている机などを使用し、照明のエネルギーマネージメントシステムへの応用、特にスマートハウスなどの要素技術として提案し、使用環境に応じた換算方法を検討していく。
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Causes of Carryover |
消費税相当額を差し引いた残額(1円)である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品購入費用として使用する。
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Research Products
(2 results)