2014 Fiscal Year Research-status Report
小学生における安全確保のための実践的な防犯学習プログラムの開発
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26750017
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中迫 由実 熊本大学, 教育学部, 講師 (30464275)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 防犯学習 / 小学校 / コミュニティ―スクール |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は全国のコミュニティスクールに対して、小学校での防犯教育の実践の実態について質問紙調査を実施した。調査目的は小学校での各時間での防犯を目的とした取り組みの実態把握やその効果、地域との連携内容の把握である。配布数は1234校、回収数は350校(回収率は28.4%)である。 小学校での危機管理能力を高めるため、体験型の思考力を養うような取組みが約8割の回答校で行われている。また1,2年に対する特別な取組みを行っている学校は4割程度にとどまっている。また、「地域安全マップ」については約8割で作成を行っていた。方法は、「グループ等で歩いて作成」が64%で、「歩かずに情報を収集して作成」が26%である。「幼保、小、警察、地域、保護者が連携して作成」など多世代が協力してマップを作成しているケースも見られた。豪雪地域では、夏と冬と季節を変えてマップを作成しているケースなどきめ細かな対応をしている事例もあった。しかし、実際歩いて地図を作成しているケースはまだ十分とは言えない状況である。 授業時間での取組みとしては、全学年では安全教室の実施を始め安全ノートによる指導や危険予知学習などもみられた。低学年では「いかのおすし」を指導しているケースが多い。防犯学習の指導を行いやすくするための条件として、警察等の外部団体からの支援を挙げる回答が最も多く、ついで教員への研修や教材、授業時間の確保が必要と回答している。生活安全や災害などの安全教育の時間確保は約77%が必要と回答している。過去1年間に小学生の犯罪被害につながる事案が発生したとの回答は約11%あった。日常からの指導に加え、可能な限り時間を確保、集中して防犯学習を行うための手法を考える必要がある。今後は、今回の調査を踏まえ、現在のカリキュラムの範囲内で防犯をはじめとする安全学習に活用できる思考、体験型かつ効果のある教材を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は全国の小学校を対象とした実態調査を行い、防犯学習の現状を把握する予定としていたところ、当初より対象校が少なくなったがアンケート調査を実施、現状の把握を行うことができた。次年度はこの結果をもとに教材の試作を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施した調査結果の分析を進めるとともに、小学校の授業時間内で実施できる教材の開発を行う。昨年度の調査では興味深い実践事例も把握することができたため、現地へ聞き取り調査も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象校をコミュニティスクール認定小学校に絞ったため、予定より調査対象校が減ると共に、調査結果報告書を希望した小学校に送ったがその多くがメールを利用して送信ができたから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回の調査で得られた興味深い事例の現地調査への旅費として使用する予定である。
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