2016 Fiscal Year Research-status Report

小学生における安全確保のための実践的な防犯学習プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number	26750017
Research Institution	Kumamoto University
Principal Investigator	中迫由実熊本大学, 教育学部, 准教授 (30464275)
Project Period (FY)	2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords	小学生 / 防犯学習 / 安全教育 / 学童保育所
Outline of Annual Research Achievements	本研究は、小学生に対する登下校時や放課後での連れ去り等の被害の現状を踏まえ、小学生向けの実践的な防犯学習プログラムを作成することを目的としている。今年度は、既往研究を始めとする関係資料の収集を行うとともに、昨年度作成した教材を参加する学年に合わせて内容を変更した上で学童保育所での実践を行った。また、防災を中心とした安全教育の学校現場での実践を視察し、授業内で実施する可能性について検討した。子どもをさまざまな暴力から守るためのプログラムであるＣＡＰの内容の把握を行うため運営団体の講習に参加し、現在作成している教材の参考とした。学童保育所での実践では、13名の児童の参加があったが、1年生が参加者の半分を占めていたため、昨年度作成した教材の内容を変更し、児童との対話を増やした。実践での課題が「できた」児童は7名であり、ロールプレイに対して高評価をした児童は9名であった。また12名の児童が実際の対応に自信が持てたとした。使用した教材はコミュニケーション能力を培いながら、危険な状況を児童自身が判断し、適切な言葉で対処したり、難しい場合は避難行動をとることを考えるよう構成しているが、児童の中には挨拶をされても無視をするといった回答も見られた。標語である「いかのおすし」の理解が十分でない児童もいることに配慮し、相手の誘いを状況に応じて上手に断れるような自然なやり取りを成立させることも考慮し、教材の再構成をはかる。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 今年度も引き続き複数の学童保育所や小学校で実践を行う予定であったが、熊本地震の発生に伴い、協力を依頼することが困難な状況となったことに加え、研究者自身の研究体制を整えることも困難となったため。
Strategy for Future Research Activity	これまで作成した教材の改良を行うと共に学童保育所での実践によりその有効性や課題の検証を行う予定である。教材については、児童が大人から声をかけられたときに断りにくい状況を想定し、児童自身に考えさせることにより重点を置くことでさらに実践的な教材へと改善を行っていく方針である。
Causes of Carryover	熊本地震発生により十分な研究活動ができなかったため
Expenditure Plan for Carryover Budget	学会参加や先進事例を視察するための旅費や授業実践のための謝金および教材準備に必要な物品の購入等に使用予定である。