2014 Fiscal Year Research-status Report
知的障害者グループホームの室内温熱環境と体温調節行動が居住者の健康性に与える影響
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26750019
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
西尾 幸一郎 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 助教 (70426534)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知的障害者 / グループホーム / 室内温熱環境 / 実測調査 / 睡眠 / 健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知的障害者グループホームにおける室内温熱環境や知的障害者の体温調節行動の実態を把握し、それらが知的障害者の健康性に与える影響度を明らかにすることである。研究初年度にあたる平成26年度は、文献サーベイと予備実験をおこなった。既存研究のサーベイのうち、知的障害者グループホームや体温調節行動に関する調査研究については主だった文献をほぼ収集し、知見をまとめた。当初の見通しのように、グループホームにおける知的障害者の環境調整行動や温熱環境実態、健康性に与える影響に関連した文献はほとんどみられなかった。予備実験に関しては、学生数名に対して、睡眠計による就寝・起床時間、睡眠効率の測定、体温・血圧測定、温湿度測定、ヒアリング調査(健康状態、疾病の有無、居住年数、建物の状況、エアコンの性能、建物の断熱性能、など)を行った。その結果、就寝前後に調査対象者が睡眠計のスイッチを押すことを頻繁に忘れるなど、特に実験機器の使用に関して、いくつかの問題・課題があることが判明した。そこで、実験協力者(世話人)の支援の仕方や実験方法の簡素化など、調査対象が知的障害者であることを考慮して調査方法の改善案を検討した。上記の結果をふまえて、研究協力者である施設職員と打合せを行い、住宅形態(マンション、一戸建て)、世話人の勤務体制(通勤型、同居型)、平面構成、築年数、居住者の障害程度や入居年数ごとに調査対象施設を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
導入予定であった実験機器(睡眠計)が廃番となり、知的障害者を対象とした実験でも使用可能な代替機器がなかなか見つからず、研究初年度に冬期実態調査を実施できなかった。ただし、研究計画最終年度に夏期・冬期の両方の実測調査を実施し、当初の計画通りに研究を完了することは可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を変更し、研究計画最終年度に夏期・冬期の両方の実測調査を実施することとした。本研究では、知的障害者にも実験機器をある程度操作させることから、何度か実験に失敗することも想定して、実験期間にゆとりを持たせて調査計画を立てているため、最終年度に実験の遅れを取り戻すことは可能であると考えている。今後は、研究協力者(施設職員・世話人)とさらに密に打合せをおこない、知的障害者一人一人に合わせた実験サポートの仕方などを十分に検討した上で本実験にのぞむ予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画初年度に実施予定であった冬期実測調査を次年度に実施することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
冬期実測調査の実施における調査協力者謝金(施設関係者)として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)