2014 Fiscal Year Research-status Report
根菜類の湿式加熱における物性及び調味の制御とその最適化
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26750022
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 瑶子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80725185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シミュレーション / 根菜類 / 煮物 / 軟化の速度定数 / 最適加熱時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイコン1 cm角を85~95℃の食塩水、醤油水溶液、砂糖水溶液、酢酸緩衝液、脱イオン蒸留水中で加熱し硬さの硬さの経時変化をテクスチュロメータにて測定した。調味液濃度は1及び2 %食塩水溶液,7及び14%醤油水溶液(1 %または2 %食塩水溶液相当,いずれもpHは約4.9)、砂糖水溶液5及び10 %、とした。酢酸緩衝液は醤油水溶液とpHが同等となるようにpH 4.90に調整した。さらに,熱伝導解析及び硬化・軟化解析を組み合わせて各水溶液中で加熱した種々の形状のダイコンの温度及び硬さの変化をシミュレーションした。 硬さの測定結果をもとに、軟化の速度定数を求めたところ、2 %食塩水溶液>1 %食塩水溶液>14 %醤油水溶液>脱イオン蒸留水>7 %醤油水溶液≒酢酸緩衝液の順に大きく,食塩は軟化を促進し,酢酸緩衝液はpHの低下により軟化を抑制した。醤油水溶液は濃度により硬さへの影響が異なり,7 %水溶液はpHの影響が大きく軟化を抑制し,14%水溶液はpHは7%水溶液と同程度であるが,食塩濃度が2 %であり,食塩の影響が大きくなるため軟化を促進した。しかし、いずれの場合も食塩水溶液中での加熱に比べてその差はわずかであり、醤油水溶液は食塩とpHの両者の影響により、水煮に近い挙動を示すと考えられた。また、砂糖水溶液中での加熱は硬さに影響を及ぼさなかった。2 cm角の最適加熱時間で各水溶液中で加熱したダイコン3cm角の中心部の硬さの予測より,食塩水溶液は硬さの変化が急激なため2cm角と3cm角は同時に適度とならず,その他の水溶液は同時に適度な範囲となることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた実験を終了し、とりまとめているところである。 さらに、平成27年度に向けた実験も予備的に着手できたことから、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は根菜類中の調味料の拡散係数及び調味過程のシミュレーションを行う。最初にスクロース及びグルタミン酸ナトリウムの拡散係数を測定する。さらに、調味料を複数用いた液中でのシミュレーション等を行う予定である。 また、平成28年度に向けた蒸し加熱中のシミュレーションに関する予備実験にも着手する。
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