2015 Fiscal Year Research-status Report
根菜類の湿式加熱における物性及び調味の制御とその最適化
Project/Area Number |
26750022
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 瑶子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80725185)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 煮物 / 予測 / 拡散係数 / ダイコン |
Outline of Annual Research Achievements |
煮物調理のおいしさを決定する上で調味操作は重要であり、一定品質の調理品を得るには調味料成分の拡散過程を予測し、適度に仕上がる条件を設定することが必要である。これまで、根菜類中の調味料成分の拡散係数とそれを用いた拡散過程の予測については食塩について報告している。本研究では、甘味成分のショ糖とうま味成分のグルタミン酸ナトリウム(MSG)の拡散係数の測定を行った。さらに、調味料を単独または混合した調味液中で加熱した際の拡散過程を予測することを目的とした。 実験には青首ダイコン中央部を2 cm角に成型して用いた。調味料成分の濃度測定は、食塩はモール法、ショ糖はHPLC、MSGは高速アミノ酸分析計を用いた。20~70℃の0.15 M(5.13%相当)ショ糖水溶液または0.1 M(1.69%相当)MSG水溶液に浸漬した試料中のショ糖およびMSG濃度の経時変化を測定し、三次元拡散方程式に基づくプログラム計算より、各温度における拡散係数を算出し、それらの温度依存性をアレニウスの式で表した。確認実験を行ったところ、得られた拡散係数を用いた予測値は実測値と概ね一致し、測定した拡散係数を用いた濃度変化の予測は可能であることを確認した。 次に、単独調味液または混合調味液で試料を加熱した。単独調味液は、食塩水溶液(0.8、1.6%)、ショ糖水溶液(5、10%)、MSG水溶液(0.5、1.0%)、混合調味液は、2種(0.8%食塩、5%ショ糖、0.5%MSG)、(1.6%食塩、10%ショ糖、1.0%MSG)とした。食塩は単独溶液浸漬と混合溶液浸漬試料の間で濃度差はみられなかった。ショ糖及びMSGについては、濃度に有意な差がみられる場合もあったものの、今後さらに検討が必要であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度は各調味料成分の測定を主たる目的としており、本年度の研究計画は概ね終了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでは湿式加熱として煮物調理に着目してきたが、根菜類の湿式加熱として蒸し加熱も行われることから、次年度は蒸し加熱を中心とした調理条件設定について検討を行う。
|