2016 Fiscal Year Annual Research Report
Control and optimization of texture and taste in root vegetables during wet heating
Project/Area Number |
26750022
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 瑶子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80725185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 根菜類 / 蒸し加熱 / 最適蒸し時間 / 軟化速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
根菜類の最適蒸し時間を予測するため、蒸し加熱中の試料内部温度及び硬さの変化をシミュレーショし、中心部を適度な硬さに仕上げるための最適加熱時間を予測した。比較のため、ゆで加熱についても検討した。試料はジャガイモ、ニンジン、ダイコンとした。 これまでゆで加熱では、水温変化を試料表面温度とみなし、三次元熱伝導微分方程式に対する差分方程式を用いて試料内部温度の変化が予測可能であることが報告されている。本研究では、同様の手法を用い、蒸し器内温度を試料表面温度とみなして計算を行った。その結果、予測した蒸し加熱中の試料内部の温度変化は実測値とほぼ一致し、蒸し加熱中の根菜類の内部温度変化が予測できることを確認した。 試料を1cm角に成型し、85~100℃で蒸し加熱またはゆで加熱した際の軟化の速度定数を求めた。その結果、軟化の速度定数は85℃ではゆで加熱、100℃では蒸し加熱の方がわずかに大きかった。さらに、得られた速度定数を用いて予測した蒸し加熱中の硬さの変化は実測値と概ね一致した。適度な硬さに仕上げるための最適加熱時間は蒸し加熱がゆで加熱に比べて1~2分短かった。実際に試料を加熱して官能評価したところ、適度な硬さであると評価され、求めた加熱時間の妥当性を確認した。 さらに、湿式加熱として加熱時間を統一できるかを検討するため、蒸し加熱とゆで加熱の硬さを平均して軟化の速度定数を求め、硬さの変化を予測した。ここから算出した最適加熱時間で加熱した試料の官能評価をしたところ、蒸し加熱とゆで加熱の硬さの評点に有意な差は認められなかった。一方、色や味はゆで加熱よりも蒸し加熱した試料が濃いと評価された。本研究において、両者の加熱時間は同じとしてもほぼ同程度の硬さに仕上がることを確認した。
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